2団体王者に輝いたタパレス(右)は、井上(左)の次のターゲットになりそうだ。(C)Getty Images 注目階級が思わぬ展開を迎えた。 アジア人初のボクシング主要4団体王者となった井上尚弥の新たな戦いの舞台となるスーパーバンタム…

2団体王者に輝いたタパレス(右)は、井上(左)の次のターゲットになりそうだ。(C)Getty Images

 注目階級が思わぬ展開を迎えた。

 アジア人初のボクシング主要4団体王者となった井上尚弥の新たな戦いの舞台となるスーパーバンタム級で、サプライズとも言える試合結果が伝えられた。4月8日、米テキサス州でWBAスーパー/IBF世界スーパーバンタム級タイトルマッチが行われ、2団体王者だったムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)がマーロン・タパレス(フィリピン)に判定で敗れ、王座を明け渡すこととなった。

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 アフマダリエフはこの試合まで無敗を続けてきており、同階級となった井上との対戦も現実味を帯びていただけに、王座陥落という結果は衝撃と共に世界中に報じられた。

 一方で、新たに2本のベルトを手にすることになったタパレスは、一躍、ボクシングファンから注目される存在に。過去にも世界王座に就いた実績を持ち、日本人選手との対戦経験も豊富な31歳はスーパーバンタム級においてはやくも「モンスター」の対抗馬としてその存在がクローズアップされている。

 母国フィリピンのニュースメディア『Inquirer』では4月10日、公式サイト上で「スーパーバンタム王者タパレス、イノウエとのビッグファイトへ向けて始動」と銘打ったトピックを配信。新王者の活躍を称えながら、今後の戦いを展望しており「マーロン・タパレスは、ウズベキスタンのアフマダリエフにスプリット・デシジョンで勝利し、スーパーバンタム級世界チャンピオンとなった。今後、日本のナオヤ・イノウエとビッグマッチを戦う可能性がある」とさっそく、次なる戦いに目を向けている。

 また他にも、アフマダリエフ戦後のタパレスのコメントも掲載。「アフマダリエフに対して大きなアンダードッグだったタパレスは、フィリピン語で『勝ったことが信じられない』と述べた」と驚きの様子だったことを伝えており、さらに「サポートに感謝したい。チームがいなければ、この試合に勝つことはできなかっただろう」として、スタッフ、メンバーへの感謝の言葉も紹介されている。

 加えて、7月25日の日本で対戦する井上尚弥対スティーブン・フルトン戦の勝者との統一戦にも言及、「私は準備が出来ている」として、さらなる大一番への意気込みも語ったとしている。

 ボクシング大国フィリピンに誕生した世界2団体王者、マーロン・タパレス。井上の新たなライバルとして、今後の動向がさらにファンからの視線を集めることが確実だ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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