那須川はプロボクシングデビュー戦で6ラウンド判定勝ちを収めた。(C)CoCoKARAnext 4月8日、プロボクシング転向初戦で、6ラウンド判定勝利を収めた那須川天心。キックボクシングで42戦無敗という圧倒的な実績を引っ提げてのボク…

那須川はプロボクシングデビュー戦で6ラウンド判定勝ちを収めた。(C)CoCoKARAnext

 4月8日、プロボクシング転向初戦で、6ラウンド判定勝利を収めた那須川天心。キックボクシングで42戦無敗という圧倒的な実績を引っ提げてのボクシングデビューは、日本トップランカーである与那覇勇気を圧倒する内容となった。

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 序盤から前に出てくる与那覇の戦い方に対し、足を使って距離を取りつつ、要所で接近し強烈な左右のパンチを浴びせた。終始、相手の攻撃をかわしながら、2回にダウンを奪い優位に立つとそこからは一気に自身のペースを生み出した。時折、キックボクシングの舞台でもみせていたアピールなども織り交ぜながら試合を展開し、日本バンタム級2位を相手に何もさせなかった。

 この一戦には日本のみならず、海外メディアからも様々な反応が伝えられている。ポーランドの格闘技サイト『MMARocks』では圧勝劇とも言える試合内容を称賛。「テンシン・ナスカワは日本バンタム級ランキング4位のユウキ・ヨナハと素晴らしい戦いを繰り広げた」と振り返りながら、那須川がノーガードの構えもみせた5ラウンド目については以下の様に綴っている。

「テンシンのほうが、より正確で、よりアクティブで、より破壊的であった。強力なストレートパンチでライバルに襲いかかり、リングの上でますます試合の流れを楽しみ始めた。彼はダンスのステップやポジションチェンジを行い、その後、強烈なパンチでライバルに襲いかかった」

 欧州メディアがそう報じたように、中盤からは那須川の余裕の表情さえ伝わってきたこの試合だが、米国スポーツサイト『SBNATION』では冷静なコメントで分析を行っている。

 同メディアは「テンシンはスピードがあり、パンチのタイミングも良かったが、キックボクサーのフットワークや動きがまだ多く、頭をあまり動かしていないなど、足りない部分があった」と指摘した。

 一方で、24歳の今後については将来のビッグマッチへの見込みも述べており、世界バンタム級元4団体王者である井上尚弥との対戦の可能性について「イノウエの圧勝を想定していたとしても、日本では東京ドーム級の試合になる可能性がある」と言及。

 その上で「しかし、それはまだ先の話だ。プロボクシングデビューを果たしたばかりであり、才能とカリスマ性を兼ね備えているもののプロボクシング界で活躍するためには、まだまだ努力が必要だ」と見解を示している。

 強さをみせつけながらも、ストーリーはまだ始まったばかり。「神童」の新たなステージでのファイトには今後も、世界中からの視線が注がれることとなる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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