9日は阪神競馬場で3歳クラシックの開幕戦となる桜花賞(GI、芝1600m)が開催されます。桜花賞は最近の優勝馬の活躍が目…
9日は阪神競馬場で3歳クラシックの開幕戦となる桜花賞(GI、芝1600m)が開催されます。
桜花賞は最近の優勝馬の活躍が目覚ましく、2018年のアーモンドアイ、19年のグランアレグリア、20年のデアリングタクト、21年のソダシ、22年のスターズオンアースの5頭はその後もGIを勝利。超GI級でないと勝てないGIかもしれません。
今回はコース改修後となる2006年以降のデータを基に、気になる騎手データを見ていきます。
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■人気のルメール騎手は買い
今年の桜花賞に騎乗する騎手の中で、2006年以降騎乗経験があるのは15騎手。各騎手のデータは次の通り。

[2006年以降]桜花賞の騎手別成績
今回は人気馬に騎乗する機会が多く、かつ複数の連対が確認できる4騎手について見ていきます。
まず取り上げるのが37.5%とトップの連対率を誇るC.ルメール騎手。この数値はアーモンドアイ、グランアレグリアという歴史的な名馬に騎乗していたことが大きいのですが、両馬とも出走当時は「2番人気」というのが意外ですね。他にも2015年のコンテッサトゥーレ(8人気3着)、17年のソウルスターリング(1人気3着)らで好走歴があり、近年の桜花賞では絶対に外せません。
素の数値でも優秀ですが、注目ファクターは当日の人気で、【C.ルメール騎手】×【当日2番人気以内】の組み合わせは【2.1.1.1】の連対率60%、複勝率80%。回収率を見ても、単勝回収率146%、複勝回収率110%ですから見つけたら買いです。
さて、そんなC.ルメール騎手が桜花賞でコンビを組むのが前日3番人気のハーパー(栗東・友道康夫厩舎)。当日もっと人気するようなら『堅軸』と考えてみてください。
■穴メーカー・池添謙一騎手の取り扱いは
続いてC.ルメール騎手に次ぐ高い連対率(33.3%)を記録する池添謙一騎手のデータを見ていきます。2008年のトールポピー(1人気8着)、11年のホエールキャプチャ(1人気2着)と1番人気では勝てていないものの、15年のクルミナル(7人気2着)、17年のレーヌミノル(8人気1着)のような伏兵馬に跨った際に勝負強い騎乗を見せてきました。
注目は騎乗馬の前走距離で、前走マイル戦出走馬は【0.3.0.3】の連対率50%と数字が上昇します。
そして池添謙一騎手が今年の桜花賞で騎乗予定なのが前日16番人気のブトンドール(栗東・池添学厩舎)。この馬が前走マイル戦出走なら押さえる価値がありそうですが、残念ながら同馬は前走1400m戦に出走。過去のデータは優秀なものの、今回はさすがに厳しそうですね。
■武豊騎手は馬連の軸にピッタリ
さらに集計期間内4度の連対がある武豊騎手のデータを見ていきましょう。改装前となる2005年以前の桜花賞では5勝を挙げているものの、2006年のアドマイヤキッス(1人気2着)、17年のリスグラシュー(3人気2着)、20年のレシステンシア(1人気2着)、22年のウォーターナビレラ(3人気2着)と改装後は勝ち切れていません。
ただし、人気馬に跨った際の安定感は強調でき、【武豊騎手】×【当日3番人気以内】の組み合わせは【0.4.0.2】の連対率66.7%。
今年の桜花賞でコンビを結成するライトクオンタム(栗東・武幸四郎厩舎)は前日2番人気ですから、当日も人気の条件は満たせそうですね。昨年はライトクオンタムと同じ武幸四郎調教師と武豊騎手がタッグを組んだウォーターナビレラで2着。今年こそ金メダル獲得となるか注目です。
■断然人気リバティアイランドに跨る川田将雅騎手は
最後に前日に圧倒的な1番人気に推されているリバティアイランド(栗東・中内田充正厩舎)に跨る川田将雅騎手のデータを見ていきましょう。2014年のハープスター(1人気1着)、22年のスターズオンアース(7人気1着)で2勝を挙げていますが、気になるのは人気と着順のバランスです。
過去13回の騎乗中、人気以上の着順に導けたのは僅か4回で、データ上は人気過剰の傾向が見られますね。それだけにベタ買いすべき騎手ではありません。
データを細かく探っていくと注目は馬主で、【川田将雅騎手】×【社台系一口クラブ】の組み合わせは【2.0.1.3】の勝率・連対率33.3%、複勝率50%。
なお、社台系一口クラブは社台レースホース、サンデーレーシング、GIレーシング、グリーンファーム、キャロットファーム、シルクレーシングの6法人が該当します。社台系一口クラブ以外の一口クラブ、個人馬主の所有馬に騎乗した際は割り引きが必要ですね。
リバティアイランドはサンデーレーシングの所有馬なので割り引く必要がありませんが、気になるのは中内田調教師の管理馬で【0.0.0.2】なこと。2019年のダノンファンタジー(1人気4着)、20年のリアアメリア(4人気10着)が該当し、リアアメリアは社台系一口クラブの所有馬でした。どうしてもデータ上は決め手に欠けるため、圧倒的な人気でも「押さえ」程度に考えるのが正解かもしれませんね。
以上、桜花賞の気になる騎手データでした。データ注目騎手はC.ルメール騎手、武豊騎手の2名です。両者とも当日の人気次第なところがありますので、当日の人気チェックは必須です。
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著者プロフィール
伊藤大輔(いとうだいすけ)●「UMAJIN.net」編集部 秋田県生まれ。スポーツ関連書籍出版社、競馬専門紙の勤務を経て、現在はUMAJIN .netでライティング、競馬データ解析等を担当。『SPREAD』では主観的要素の強い「馬体解析」と客観的なデータの蓄積である「騎手データ」から、注目すべき馬と騎手を取り上げていく。