つくのは簡単なのに、なかなか減らない体脂肪。筋トレや食事内容の見直し、ストレッチやマッサージなど、努力して減らそうとして…
つくのは簡単なのに、なかなか減らない体脂肪。筋トレや食事内容の見直し、ストレッチやマッサージなど、努力して減らそうとしている人も多いのではないでしょうか。
しかし、間違った方法を続けていると、体脂肪が減らないどころか、ますます落ちにくい体質になりかねません。せっかくであれば成果を出して、引き締まった体になりたいですよね。
今回は、体脂肪を効率よく落とす食事方法についてご説明します。
体脂肪を減らす食事のポイントとは
体脂肪と食事は深く関わっています。ここでは、体脂肪減少のための食事のポイントをお伝えします。
1.食事を抜かず3食が基本体脂肪を減らすために食事を抜く人もいるかもしれませんが、それは逆効果です。
食事の間隔が開くと、次に食事を摂ったときに血糖値が急激に上がります。すると、体内でインスリンが過剰に分泌されます。
インスリンは、中性脂肪を合成し体内にため込むように働くので、インスリンの過剰分泌は体脂肪を増やすことにつながります。
体脂肪を減らすためには、3食、食事を抜かずに摂ることが基本です。
2.タンパク質をきちんと摂る筋肉量を増やし基礎代謝を上げることで、体脂肪を効率よく減らせる効果が期待できます。そのためには、筋トレにくわえてタンパク質の適切な摂取が必要です。
とはいえ、タンパク質が多く含まれる食べ物やプロテインドリンクを一気に摂るのは避けましょう。人の体は、一度に多くのタンパク質を代謝することはできません。そのため、筋肉量を維持するために、毎食タンパク質を摂ることがおすすめです。
なお、タンパク質は体重1kgあたり1.2~1.6g前後を目安にするとよいでしょう。
関連記事:タンパク質とは。一日の摂取量は?不足するとどうなる?たんぱく質が多い食品・食材[管理栄養士監修]
3.食べる順番や時間も意識する体脂肪を減らすには、血糖値を急上昇させないことが大切です。そのため、食事のときは野菜や汁物から食べましょう。
はじめに野菜や汁物、次に肉や魚、豆腐などのタンパク質、最後にご飯や麺、パンなどの炭水化物といった順にすることで、緩やかに血糖値が上がります。
また、食べる時間にも気をつけましょう。夜はエネルギーをたくわえ、脂肪が分解されにくくなる時間帯です。寝る3時間前には食事を終えておくことが理想とされています。
4.早食いしない早食いすると血糖値が急に上がりやすくなるので、よく噛み時間をかけて食べましょう。
ゆっくり食べることで、満腹中枢が作用し、食べ過ぎも防げます。食べ始めてから、約20分で満腹中枢が刺激されるといわれています。
5.お酒は控えめにお酒を飲みすぎると、アルコールが肝臓で代謝されず血中にとどまった状態になるので、体脂肪としてため込まれやすくなります。
肝臓の代謝能力は人によって違いますが、酔っぱらうまで飲まず、その手前でやめるのがおすすめです。
関連記事:お酒は太る?太らない?体脂肪を増やすNGパターンとは|マッスルデリ管理栄養士が解説
体脂肪を効率よく減らす食材選びのポイント
効率よく体脂肪を減らすには、食材選びや調理方法も意識するとさらに効果的です。自炊はもちろん、コンビニやスーパー、外食でのメニュー選びのときにも参考にしてくださいね。
6.肉類は脂質の少ないものを肉類は重要なタンパク質源であると同時に、脂質も多く含みます。脂質の量は部位によって異なるので、食べる場合は脂質の少ないところを選びましょう。
牛肉の場合、ヒレ肉、モモ肉がおすすめです。豚肉も、ヒレ肉、モモ肉は脂質の割合が少ないです。また、豚ロース肉は赤身の外側に脂身が固まっているので、それを取り除けばヘルシーにいただけます。
鶏肉は、ささみや皮を除いたむね肉がおすすめ。これらは、脂質が少なくタンパク質を多く含みます。

▲鶏胸肉のタンパク質ってどれくらい?栄養とダイエットレシピ、タンパク質が多い部位ランキング[管理栄養士監修] より
手軽にタンパク質を摂取したい場合は、コンビニなどで買えるサラダチキンや、おでんの牛すじなどを選ぶとよいでしょう。
7.食物繊維を意識して摂る食物繊維には、余分な脂質や糖質の排泄を促す作用があります。さらに、腸内で善玉菌のエサになり腸内環境を整えることにも役立ちます。
野菜類には食物繊維が豊富に含まれており、その多くが低カロリーです。そのほか、きのこ類、海藻類にも食物繊維が多く含まれており、カロリーも低いのが特徴です。
パックや小分け袋で売られているサラダ、さしみこんにゃく、デザートにもなる寒天スイーツなどは、いずれも食物繊維が豊富でおすすめです。
関連記事:食物繊維のメリットとは。摂り過ぎ&不足のデメリットは?マッスルデリ管理栄養士が解説
8.油を使わない調理法の料理を選ぶ同じ食材でも調理方法によって、脂質の量が異なってきます。
ゆでる、網焼き、蒸すといった方法は、油を使わず、食材中の脂を落とす調理法です。一方、炒めたり、揚げたりする調理方法は油を使うため、高脂質になってしまいます。
セルフで選べるコンビニのおでん(昆布・こんにゃく・牛すじ)や、ゆでたまごなどは、脂質を気にせずに食べられます。
ダイエットには漢方もおすすめ
「体質から改善して、体脂肪がつきにくい体になりたい」
「努力はしているのに、体脂肪がなかなか減らない」
このようなお悩みをもつ人は、漢方の力を借りるのもひとつの手段です。
漢方薬は、「脂肪太り」「水太り」「ストレス太り」「むくみ」などの症状に効果が認められています。漢方の自然由来の力で体脂肪を減らし、引き締まったスタイルを目指せるということで、近年美容や健康への意識が高い人の人気を集めています。
ダイエットには、
血流をよくして基礎代謝を上げる余分な脂肪の吸収を抑える脂肪の燃焼を促す精神に働きかけ、つい食べてしまうことを防ぐといった働きをもつ漢方薬のなかから、体質に合わせて選びます。
漢方薬は、老廃物を排出したり、血流を改善したりすることで代謝を上げて、太りにくく痩せやすい体質を目指すのに役立ちます。
自分の体質に合った漢方を飲むことは、ダイエットや健康管理の一助になるでしょう。
ダイエットしたい人におすすめの漢方薬防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)とくにおなか周りに皮下脂肪がつきやすく、便秘がちな人に向いています。脂肪を分解・燃焼し、余分な老廃物の排泄を促して、肥満に働きかけます。
大柴胡湯(だいさいことう)体力が充実していて、がっしりとした体格の人に向いています。高血圧で肥満を伴う頭痛や肩こりでお悩みの人にも用いられます。ストレスによる食べすぎを抑えてイライラを和らげ、肥満や頭痛、便秘を解消します。
ただし、漢方薬はその人の体質に合っていないと、よい効果が見込めないだけでなく、副作用が起こる場合もあります。自分に合う漢方薬を見つけるためにも、服用するときは漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。
<この記事を書いた人>
山形ゆかり
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師。薬膳アドバイザー。フードコーディネーター。病院薬剤師として糖尿病患者の服薬指導中に食養生に着目。牛角・吉野家、薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発を行う。現在は、「健康は食事から」をモットーに、漢方のプロとAIが適した漢方薬をお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」や山形ゆかりの薬膳チャンネルでも情報発信をしている。
●Medical Health CH:https://www.youtube.com/@medicalhealth--7900
<Text:編集部>