イギリス・ロンドンのクイーンズ・クラブで行われた「AEGON選手権」(ATP500/6月19~25日/賞金総額183万6660ユーロ/グラスコート)のシングルス決勝で、フェリシアーノ・ロペス(スペイン)が挽回の過程でマッチポイントをしのい…

 イギリス・ロンドンのクイーンズ・クラブで行われた「AEGON選手権」(ATP500/6月19~25日/賞金総額183万6660ユーロ/グラスコート)のシングルス決勝で、フェリシアーノ・ロペス(スペイン)が挽回の過程でマッチポイントをしのいだ末に、第4シードのマリン・チリッチ(クロアチア)を倒し、キャリア6度目のタイトルを獲得した。

 35歳のロペスはこの決勝を通し、チリッチのサービスを一度もブレークすることができなかったが、それでも劣勢を覆して2時間半の戦いの末に4-6 7-6(2) 7-6(8)で勝利をつかんだ。

 第3セットのタイブレークで5-6とリードされた際、ロペスは体を精いっぱい伸ばしたフォアボレーによってマッチポイントをしのぎ、それから自分にとって3度目のチャンスで勝利をものにした。

 2014年大会でも決勝に進出していたロペスは、ウィンブルドンに先立つこの前哨戦で、持ち前のグラスコート・スキルをまたも誇示してみせたのだった。

「このタイトルをついに獲れたなんて信じられない」とロペスは言った。「これは僕のキャリアで最高の週だった。キャリアのこの段階で、この大会に優勝できるなんて、本当に驚くべきことだよ」。

 ロペスは2014年大会の決勝でグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)に対し、自ら手にしたマッチポイントを生かせず敗れていたことを忘れてはいなかった。

「2014年のあのマッチポイントを頭から追い払うことは難しい。僕はあのときもサーブをキープすれば勝ち、という状態にいた。緊張感に対処するのが本当に難しかったよ」

 2012年大会の優勝者である世界7位のチリッチは、ほぼ完璧な第1セットをプレーした。彼はロペスがつかんだ唯一のブレークポイントをサービスエースによってしのぎ、リードを奪う最初のチャンスを逃さずとらえた。

 第2セットでは頻繁にサービスがロペスの苦境を救った。そのうちもっとも重要なものは、第2ゲームでチリッチがつかんだ2つのブレークポイントのうちのひとつをセーブした1本だろう。こうして何とかサービスをキープし、勝負をタイブレークにもち込んだロペスは、ここでギアアップすることに成功。ほぼ完璧なプレーでタイブレークを7-2で取る。

 第3セットでは質の高いサービス合戦が進む中、どちらの選手もがブレークポイントをつかむことができないまま、勝負はまたもタイブレークにもつれ込んだ。

 このタイブレークでチリッチは最初のマッチポイントをつかんだが、ロペスはプレッシャー下で見事なボレーを決め、最終的に自らの3度目のマッチポイントでチリッチのフォアハンドがコートを割った瞬間、タイトルをその手につかんだ。

「ウィンブルドンに向け、これに勝る準備はない。ここで優勝した上で、一週間のうちにウィンブルドンでプレーするというのは素晴らしいフィーリングだ」とロペスは言った。

「35歳という年齢で自分のベスト・テニスをプレーしているとは信じがたいことだが、実際にはそうなんだよ」(C)AP(テニスマガジン)

※写真は「AEGON選手権」で第4シードのマリン・チリッチ(クロアチア)を破り、キャリア6度目の優勝を飾った35歳のフェリシアーノ・ロペス(スペイン)(写真◎Getty Images)

Photo: LONDON, ENGLAND - JUNE 25: Feliciano Lopez of Spain celebrates victory in the mens singles final against Marin Cilic of Croatia during day seven of the 2017 Aegon Championships at Queens Club on June 25, 2017 in London, England. (Photo by Julian Finney/Getty Images)