筒香嘉智の兄・裕史さんが代表を務める少年野球チーム「和歌山橋本Atta boys」 レンジャーズ傘下マイナーの筒香嘉智内…

筒香嘉智の兄・裕史さんが代表を務める少年野球チーム「和歌山橋本Atta boys」

 レンジャーズ傘下マイナーの筒香嘉智内野手が故郷の和歌山県橋本市に設立した少年硬式野球チーム「和歌山橋本Atta boys(アラボーイズ)」は、4月から本格的に始動した。代表を務める兄・裕史さんは“小学生限定”のチーム運営について「色んな事に挑戦するマインドを育てていきたい」と、理由を説明する。

 野球界の未来を担う少年、少女たちに向け、新たなチームが産声をあげた。本拠地となるのは筒香が自費2億円を投じて故郷に作った総合スポーツ施設「TSUTSUGO SPORTS ACADMY」。天然芝の本球場とサブグラウンド、室内練習場が揃った施設はメジャーリーグのスプリングトレーニング場を彷彿とさせる作りになっている。

「この施設を小学生が思う存分に使えるのは贅沢かもしれない。でも、幼い時から天然芝などに慣れることは将来を考えた時に絶対に必要だと思っています」

 こう話すのは筒香の兄で橋本市スポーツ推進アドバイザーも務める裕史さん。過去に中学の体育教員を務め、知人を介し訪れたドミニカ共和国では基礎体力を生かしたダイナミックなプレーに目を奪われた。「幼い頃からスケールの大きい基礎作りがあるからこそ、中南米の選手は運動神経が高い」と、思い知らされたという。

ウオーミングアップではヒップホップに合わせダンスを取り入れる

 所属するボーイズリーグは小学、中学生の2部構成が基本だが、「和歌山橋本ボーイズ」は小学生のみのチームとなる。その理由について裕史さんは教員時代の経験を振り返り「体育がすごくできる学年、そうでない学年の差がかなりあった。どういう教育、どの先生にあたるかですごい影響を受ける。身体能力の差が一番分かれる時期は小学生。この期間に基礎作りをしていかなければ、将来苦しむことになる」と強調する。

 チームの練習も他とは異なる。“打つ、投げる、守る”だけでなく身体能力の向上に特化した、様々なトレーニングを取り入れる。

 練習前のウオーミングアップは「体を操る能力を上げてもらう。音楽を聞いて表現するのは、野球を上手になるうえでも大事」と、ヒップホップなどの音楽に合わせたダンストレーニングを行っている。短距離走でも前回り、後ろ回りなど、体全体を使った動きを入れるなど工夫を凝らしたものばかりだ。

「小学校の時期に色んな運動することが大事。失敗しながらの成功体験は非常に大切だと感じています。身体能力など基礎さえできれば色んな事に挑戦するマインドができる。中学生になってから野球を含めた全てのスポーツにも挑戦できる体を作ることが一番で、野性的な感覚も必要。全て教えると思考停止になるので、戦術や技術なども子どもたち発信でやってもらいたい。そうすると、とんでもないことを思いつくことある。個性派軍団にしたいですね」

 子どもたちは充実した施設で思いきり体を動かし、野球を含めたスポーツを楽しむ。“筒香兄弟”が取り組む新たな選手育成。和歌山から世界で通用する人材を輩出するのが目標だ。(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)