■シュート数は多いが、得点は少ない清水 今シーズンのJリーグで最初の監督交代は、清水エスパルスになりそうだ。 4月1日に…

■シュート数は多いが、得点は少ない清水

 今シーズンのJリーグで最初の監督交代は、清水エスパルスになりそうだ。

 4月1日に行なわれたJ2リーグ第7節で、清水はヴァンフォーレ甲府と対戦した。2節から5戦負けなしで3連勝中のホームチームに対して、前節からスタメンを3人入れ替えた。右SB北爪健吾と右MF中山克広がリーグ戦初先発となり、吉田豊が4試合ぶりに左SBでスタメンに入った。ルヴァンカップ出場に伴う中2日の日程を考慮したものであり、テコ入れをはかる意味もあっただろう。J1から降格した清水は、3月26日のJ2第6節から4月22日の大宮アルディージャ戦まで、地獄の9連戦を消化しなければならない。

 清水はシュート数とCK数が、リーグでトップとなっている。被シュート数はリーグで3番目に少ない。1試合平均13本のシュートを放っているにもかかわらず、6試合でわずか4得点に終わっている。

 甲府のホームに乗り込んだこの日も、数字だけを見れば相手を上回った。シュート数は8対5で、CKは6対2だった。

 チャンスも作っている。前半40分過ぎに中山の右足ミドルが相手GKを襲い、59分には途中出場のカルリーニョス・ジュニオが決定機をつかんだ。それでも先制点をつかめずにいると、82分に甲府MF長谷川元希に先制ゴールを喫してしまう。清水の右サイドからゴール前に侵入され、フリーで許したシュートがGK権田修一の股間をすり抜けていった。これが決勝点となり、清水は0対1で敗れたのである。

■ゼ・リカルド監督解任は避けられず

 清水の総シュート数はリーグ最多で、ボールポゼッション率も高い。しかし、総得点はリーグワーストタイである。

 そこから見えるものは何か。

 彼らが作り出してきた決定機は、「個」に依存したものが多い。コンビネーションに基づいた崩しは、なかなか見られないのが現実だ。昨シーズンJ1得点王のFWチアゴ・サンタナは、甲府戦でシュートゼロに終わっている。主砲にシュートシーンが訪れなければ、勝利を手繰り寄せるのは難しい。

 ゼ・リカルド監督は「チャンスは作れている」と話してきた。しかし、試合を重ねるごとにコンビネーションが深まるとか、リスタートのバリエーションが豊富になっていくといったこともない。

 首位を走るFC町田ゼルビアとは、すでに勝点差が「14」もついている。まだ7試合を終えただけで、残り試合は35試合ある。とはいえ、7節終了時点で未勝利のチームがJ1自動昇格の2位以内でフィニッシュしたことは、過去10シーズンのJ2で一度もない。清水はすでに追い詰められているのだ。ゼ・リカルド監督の解任は避けられないだろう。

 ブラジル人指揮官の後任には、秋葉忠宏コーチが暫定的に就く見込みだ。前述したように9連戦のさなかにあるチームは、5日にルヴァンカップの湘南ベルマーレ戦を控える。週末の8日には、ここまで2位と好調の東京ヴェルディとの対戦が待つ。新任の監督を招へいし、チームを立て直す時間的余裕はない。2020年から22年まで水戸ホーリーホックを指揮し、アグレッシブなスタイルでJ2リーグを盛り上げた秋葉コーチに、再建の第一歩が託されることになるだろう。

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