イギリス・ロンドンのクイーンズ・クラブで開催されている「AEGON選手権」(ATP500/6月19~25日/賞金総額183万6660ユーロ/グラスコート)のシングルス準決勝で、2012年大会覇者で第4シードのマリン・チリッチ(クロアチア)…
イギリス・ロンドンのクイーンズ・クラブで開催されている「AEGON選手権」(ATP500/6月19~25日/賞金総額183万6660ユーロ/グラスコート)のシングルス準決勝で、2012年大会覇者で第4シードのマリン・チリッチ(クロアチア)が今季グラスコート7連勝中だったノーシードのジル・ミュラー(ルクセンブルク)を6-3 5-7 6-4で破り、決勝に進出した。
第1セットは第6ゲームでチリッチがバックハンドのダウン・ザ・ラインを決め、ミュラーのサービスゲームのブレークに成功し、6-3で先取。しかし、続く第2セットは第12ゲームでチリッチがサービスゲームをブレークされ、7-5で奪ったミュラーがファイナルセットに持ち込んだ。第3セット第10ゲームで5-4とリードしたチリッチが、2度目のマッチポイントでミュラーからセカンドサーブでエースを奪い、この試合を制した。
「今日は本当にレベルの高い試合だった。僕もいいプレーができていたし、ジルも本当にすばらしかった。僕は要所でいいショットを打つことができたし、うまく頭を使ってプレーすることができたよ」とチリッチは試合を振り返った。
チリッチは、来週月曜日に発表される最新の世界ランクで、キャリア最高となる6位以上に上昇することが確定している。
2014年の全米オープン覇者で、ウィンブルドンでは2014年から3年連続8強入りしているチリッチは、今年のウィンブルドンの優勝候補の一角となりそうだ。
もう1つの準決勝では、ノーシードのフェリシアーノ・ロペス(スペイン)が2014年大会の決勝で敗れた第6シードのグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)を7-5 3-6 6-2で倒し、リベンジを果たした。
ロペスは、第2セットでディミトロフにサービスブレークを許してセットを奪われるまでは、大会を通して9セットにおよびサービスブレークを許していなかった。第3セットでロペスはディミトロフのバックハンドのトップスピンのミスを皮切りに要所をおさえ、ディミトロフのサービスゲームのブレークに成功して試合を制した。
「決勝に進出できたことはうれしい。この大会は僕にとって特別な大会の1つなんだ。ずっとタイトルを獲りたいと思っていた。2014年の決勝では彼とはすばらしい試合ができた。今回もタフな試合になることはわかっていたよ。今は僕のベストのテニスができている」と世界ランク32位のロペスはコメントした。
2014年大会の決勝では、ディミトロフがロペスを6-7(8) 7-6(1) 7-6(6)で倒してタイトルを獲得していた。
第4シードのチリッチは、今大会シングルス4試合を戦っているが、疲れの見える様子はない。一方のロペスは、この準決勝に加えて第7シードのトマーシュ・ベルディヒ(チェコ)との準々決勝でもフルセットを戦っているため、疲れを隠せない。このディミトロフとの準決勝に勝利したあともベンチに座り込み、疲れ切った姿を見せていた。
チリッチはマルチン・マトコウスキ(ポーランド)と組んでダブルスにも出場しており、準決勝ではジェイミー・マレー(イギリス)/ブルーノ・ソアレス(ブラジル)に対して6-1 3-5の時点で雨により順延となっている。この試合は日曜日のシングルス決勝後に再開予定となっている。もしチリッチが単複の両タイトルを獲得すると、1995年のピート・サンプラス(アメリカ)以来の快挙となる。
今大会はアンディ・マレー(イギリス)、スタン・ワウリンカ(スイス)、ミロシュ・ラオニッチ(カナダ)のトップ3シードが1回戦で姿を消す大会となったが、グラスコートを得意とするチリッチとロペスの両選手が大きな自信をつけ、7月3日から始まるウィンブルドンを迎えることになる。(C)AP(テニスマガジン)
※写真は「AEGON選手権」の準決勝でジル・ミュラーを破った2012年大会覇者のマリン・チリッチ
Photo:LONDON, ENGLAND - JUNE 24: Marin Cilic of Croatia celebrates during the mens singles semi-final match against Gilles Muller of Luxembourg on day six of the 2017 Aegon Championships at Queens Club on June 24, 2017 in London, England. (Photo by Clive Brunskill/Getty Images)