楽天・石井一久監督が待ち望む若手投手の台頭 昨季は4位に終わった楽天。最大18の貯金を築くスタートダッシュを決めながら、…
楽天・石井一久監督が待ち望む若手投手の台頭
昨季は4位に終わった楽天。最大18の貯金を築くスタートダッシュを決めながら、失速した。ヤクルト、楽天で3拍子揃った外野手として活躍した野球評論家の飯田哲也氏は、楽天の石井一久監督とヤクルトで同僚の間柄。巻き返しを図るチームの課題とは?
「取材で石井監督と話をしたのですが、先発に若い選手が出てきていないと……。本当に嘆いていました」と飯田氏。田中将大、則本昂大、岸孝之と球界を代表するビッグネームが揃うが、いずれも中堅からベテランの域に達している。3年目を迎えるドラ1左腕の早川隆久は昨秋に左肘を手術し、調整に不安が残る。石井監督は藤平尚真ら若手の台頭を期待しているという。
飯田氏は、まずは田中将の存在感が必要と見る。「俺について来い、みたいなね。彼がリーダー。奮起してもらわないと。表現にしても感情にしても、もっと出してもいいかなと思います」と注文する。
2021年に日本球界に復帰した右腕は一昨年が4勝で昨年が9勝。打線の援護に恵まれなかった面もあるが、飯田氏は対戦する打者も印象が違ってきていると分析する。「昔のマー君は圧倒的。それが凄すぎて、今は何とかなるんじゃないかと思っているのでは。恐怖に感じていないかもしれないですね」。
昨年11月に34歳になった。「この2年間は直球が減った。今の田中将なら僕が打席に立ったら変化球マークでしょう。来ないストレートより確率が高いので、そっちを待ちます」と指摘。だからこそ「もうちょっと直球を増やす。圧倒的な球威がない分、コントロールですかね。コントロールで勝負できるピッチャーなので」と復活へのポイントをあげる。
昨年の最多安打、島内も「出られないかも」
野手陣は内外野ともに競争が激しい。「レギュラーと言えるのは浅村栄斗、辰己涼介ぐらい。島内宏明でも出られないかもしれない。いい選手がいっぱいいます」。昨季最多安打のタイトルを手にした島内でさえ安泰ではない程の充実ぶりと評価する。逆に言えば打線は固定できないというジレンマも。オープン戦では打順や守備位置がなかなか決まらなかった。
特に左打者は西川遥輝、鈴木大地、茂木栄五郎、銀次、小深田大翔、山崎剛、渡辺佳明、黒川史陽、小郷裕哉、武藤敦貴ら好素材、実力者が目白押し。「シーズンもオープン戦のままいくと思いますが、固定したいですよね」と注文を付ける。
ビッグネームの1人だった涌井秀章とのトレードで中日から加入した右打ちの阿部寿樹は地元の岩手・一関市出身。ファンの声援も大きいだろう。「内野も外野も何でもできちゃう。出せば仕事をする重宝な選手。どういう起用になるのか」と采配に注目する。
石井監督は就任3年目。ゼネラルマネージャーは退任し、専任となる。背番号も現役時代にヤクルトなどで着けていた「16」に変更。勝負の年に見える。飯田氏は「ずーっとできる仕事ではないと本人も言っています。俺が勝たなきゃとか、そういう考えは全くない。楽天を常勝軍団にするためにどうしなければいけないか、これから強くするためにやっているという監督です」と語る。それ故に「若手出てきてくれよ、とは思っているでしょうね」と胸中を慮った。(西村大輔 / Taisuke Nishimura)