9回サヨナラの好機を好守に阻まれ、報徳学園・盛田がとった行動は 報徳学園(兵庫)がサヨナラ勝ちでベスト8に進出した。「第…
9回サヨナラの好機を好守に阻まれ、報徳学園・盛田がとった行動は
報徳学園(兵庫)がサヨナラ勝ちでベスト8に進出した。「第95回記念選抜高校野球大会」(阪神甲子園球場)第9日の28日、第3試合で東邦(愛知)を延長10回タイブレークの末に5-4で破った。大角健二監督は「第1目標をクリアできてほっとしています」と笑みを浮かべた。3番手で9回から登板したエースの盛田智矢投手(3年)が2イニングを無失点。サヨナラ劇につなげる気迫の投球が光った。
タイブレークの延長10回、1死満塁から西村大和内野手(2年)が右前にサヨナラ打を放って試合は決着したが、10回に入る段階で流れは完全に東邦にあった。9回1死二塁で、堀柊那捕手(3年)の打球は中前へ。二走の俊足・岩本聖冬生外野手(3年)が一気にホームを狙ったが、東邦のセンター・上田耕晟外野手(3年)の見事な送球に刺され、サヨナラを阻止された。
この試合は2回に5連打しながら、1点止まり。東邦のレフトとライトの好返球に阻まれたのが響いた。3点リードで迎えた7回にはついに追いつかれてしまった。そして9回にチャンスをつかみながら、今度は東邦のセンターにしてやられた。そして、タイブレークの延長戦だ。「積極的な走塁でのアウトは常にOKですけど、これだけの大舞台では確かにやられたと思いましたよ」と大角監督も正直な思いを口にしたように、普通に考えれば、どっちのムードがいいかは一目瞭然だろう。
だが、報徳ナインはそれを跳ね返した。中でも、マウンドに上がった盛田はすぐに気持ちを切り替えた。「相手チームに流れが行ってしまったんで、そのなかで自分が抑えたら、ピンチがチャンスになると思った。自分が流れを作ろうと……」。堀の一打が飛び出した瞬間は「足が速い岩本だったし、よっしゃと思ったんですけどね」というが、すぐさま戦闘モードになった。逆にスイッチを入れ直したのだ。
10回1死二、三塁、捕手のサインに首振り超強気の勝負
「ブルペンだと打者がいなんで、まずぶつける相手としてキャッチャーに投げました。もう1回タイブレークを想定して、けっこう(気持ちを)上げました」。無死一、二塁で始まるタイブレーク。送りバントで1死二、三塁とされたが、そこから二飛とカウント2-2からの見逃し三振でピシャリ。最後の三振は、堀のサインにも首を振り、あえて5球全球内角ストレートで勝負し、結果を出して吠えた。
「最後はスライダーとかで振らせようっていうのも良かったんですけど、インコース真っ直ぐに詰まっているような感じだったんで」。気迫を見せながらも冷静に対応したエースに大角監督も目を細める。「いい顔つきをしていました。後に彼がいるのは大きかった」。
まさに頼もしい男だ。「エースとは勝たせられるピッチャー。流れを持ってこられるピッチャー。どういう場面でも、先発で投げても、抑えとなってもゼロに抑えられるのが、報徳のエースだと思っている」と言い切る。連戦で準々決勝となるが「先発よりもあとの方が球数少ないんで、そんなに疲労はないので」とサラリ。与えられた仕事に全力で取り組む姿勢を強調だ。
「最後は適切なアドバイスを思いつかなかったので、とにかく俺を勝たせてくれって。もう生徒たち頼みでした」と大角監督はナインの頑張りに感謝する。盛田は「相手チーム(東邦)も名門、強豪校で、神宮にも出てて、やっぱり強いチームという印象が強かったんで、そのチームに勝てたのはいい流れになったかなと、次の試合にもいい流れを持っていける」と力強く話した。(山口真司 / Shinji Yamaguchi)