広陵は海星に逆転勝ちも主砲・真鍋は3打数無安打「第95回記念選抜高校野球大会」(阪神甲子園球場)は第8日の27日、第3試…
広陵は海星に逆転勝ちも…主砲・真鍋は3打数無安打
「第95回記念選抜高校野球大会」(阪神甲子園球場)は第8日の27日、第3試合で広陵(広島)が3-2で海星(長崎)を下し、2010年以来13年ぶりの8強入りを決めた。2回に2点を先行されながら、5回、6回、7回に1点ずつ奪ってひっくり返した。打線は9安打、投げてはエース・高尾響投手(2年)が155球、2失点で完投だ。だが注目の「広陵のボンズ」こと真鍋慧内野手(3年)は3打数無安打1四球の不発。大会ナンバーワン・スラッガーと呼ばれる重圧との戦いが続いている。
勝利の試合後にもかかわらず、真鍋は悔しさをあらわにした。「自分が失点に絡むミスをしてしまった」「自分の実力不足、初球の甘い球を見逃していたので準備不足です」「大振りになっていた。コンパクトにスイングができていなかった」。反省の言葉が次々に出た。一塁守備では、2回2死二塁でセカンドの送球を捕れず、先制を許した(記録は二塁手の失策)。打撃も精彩を欠いた。初回1死二塁で投ゴロ、7回2死二、三塁では見逃し三振に倒れた。
真鍋は注目されていることについて「特にないです」と話したが、中井哲之監督は「やっぱり、ボンズ、ボンズといわれても高校生ですから、肩に力が入っているんでしょうね。そう思います。いろいろ考えている感じがしますね。当たるとこだけいけやっていうんですけどね」。重圧という、見えない敵がいるということだろう。
指揮官は真鍋のこの日の結果に「予想通りです。なんか打ちそうにもなかったんで、他のヤツ打てよって感じだったんですよ。まぁ、それが当たっちゃいけんですよね」と苦笑しながら振り返った。
指揮官の愛あるメッセージ「最近ポン酢になりよらんか?」
そんな中、中井監督は「お前、ボンズだったけど、最近ポン酢になりよらんかって言ってます。今日は試合中にも言いましたよ。(ポン酢は)しょっぱいじゃないですか。悔しくないんか」とハッパをかけたという。その壁を何としても乗り越えてほしいからこそであり、真鍋の明るい性格を熟知した上での愛あるいじり。真鍋はこれに笑顔で反応していたそうだ。
もちろん、真鍋もこのままで終わるつもりはない。「次の試合もある。そのチャンスで絶対1本返して、チームに貢献したいと思います。明日の練習から新たな気持ちでやっていこうと思います」ときっぱりだ。日本中を感動させたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)での侍ジャパンの優勝。真鍋もテレビで見て「すごく打つべきところで村上選手が流れを変えるホームランを打っていたのですごいなと思いました」と刺激を受けたという。その村上も重圧に苦しみながら結果を出した。まさに最高の手本もあるのだ。
中井監督もこう予言する。「ボールに当たれば、とんでもなく打つんで、そろそろ、そのとんでもないのが……。彼が打つと本当に乗るんでね」。真鍋には甘い球を1球で仕留める能力がある。どんな状況でもベンチでは声を張り上げ、エラーしても決してシュンとはならない。だからこそ指揮官も期待する。「ただ技術的なところで結果が出ていないというだけ。真鍋が(チームを)引っ張っているのは間違いないんですから」。
準々決勝の相手はこちらもプロ注目の平野大地投手(3年)擁する専大松戸。相手に不足はない。「いい投手なので楽しみです」と真鍋。苦しんだ分だけ、巻き返してみせる。広陵のボンズの本領発揮はこれからだ。(山口真司 / Shinji Yamaguchi)