(C)Getty Images 日本の3大会14年ぶりの優勝という大団円を迎えたワールド・ベースボール・クラシック(WB…

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日本の3大会14年ぶりの優勝という大団円を迎えたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。列島が歓喜の渦に包まれ、凱旋後も熱狂はやまない。そして1週間後にはプロ野球開幕、というタイミングで最も危惧されているのが疲労困憊な選手たちの「燃え尽き症候群」とも言えるパンクだ。
前回侍ジャパンがWBCを制した2009年の第2回大会。精神的支柱としてチームを引っ張ったのが、当時35歳だったマリナーズのイチローだった。大会期間中は不振に悩まされながらも、決勝の韓国戦では延長10回に決勝の2点タイムリーを放った。今も燦然と輝く、日本野球史に永久に刻まれる名シーンの一つだ。
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自ら「イキかけました」とまで表現した歓喜の瞬間の直後だった。イチローの身体に異変が生じた。いや、悲鳴を上げていたのだ。チームに合流後、体調不良を訴えてオープン戦欠場が続いた。複数の医師から緊急精密検査を受けた結果、球団から「胃の潰瘍性出血」と発表され、メジャー初の故障者リスト(DL)入りが決定した。
原因は疲労とストレス。激闘の数々と、国を背負う責任感が、イチローの身体を蝕んでいた。DL入り自体がメジャー9年目で初めてのこと。鉄人がまさかの事態に直面した。
野手であってもこれなのだ。より影響が心配されるのが、肩、肘含めて開幕前のデリケートな時期にハード調整が強いられる投手。中でも今大会で精神的支柱となったエンゼルス・大谷翔平と、パドレス・ダルビッシュ有にかかった負荷は、並大抵のものではないことは想像に難くない。
大谷は現地24日(日本時間25日)に、決勝のマウンドから中2日で調整登板する。そこから中5日で現地3月30日のアスレチックスとの開幕戦へ向かう予定だ。
2013年の楽天・田中将大、広島・前田健太ら、WBCに出場した投手たちはシーズン開幕投手を回避することがほとんど。大谷の場合は大会終了後、時差を伴う大陸間移動がないとはいえ、前例の少ないチャレンジになる。
そしてダルビッシュは、宮崎強化合宿から参加したことで実戦登板の機会が限られ、明らかにオープン戦期間中に積むべきイニング数が不足している。8回にセットアッパーとして投げた米国との決勝戦でもカイル・シュワバーに特大のソロを浴びるなど、本来の姿とはほど遠かった。
開幕投手の本命であったが、パドレスのボブ・メルビン監督は「難しいだろう」と早々に回避させる考えを示した。ダルビッシュ本人も「少し心配ではある。通常とは違ったスプリングトレーニングで、本来のキャンプの調整ができなかった」と明かしている。
オープン戦やマイナー戦登板でイニングと球数を重ね、改めてレギュラーシーズン登板へ向けてビルドアップしていくわけだが、果たしていつまでに準備が整うかは不透明となっている。
大谷は無事、6年目のシーズンを滑り出すことができるのか。そしてダルビッシュはいつメジャーのマウンドに立つのか。2人の「4月の戦い」次第では、せっかく盛り上がったWBCの機運に冷や水を浴びせることになる。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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