サッカーIQラボ 〜勝負を決めるワンプレー~Question ダビド・シルバはなぜフリーになり、エルチェを崩すことができ…
サッカーIQラボ 〜勝負を決めるワンプレー~
Question
ダビド・シルバはなぜフリーになり、エルチェを崩すことができたのか?
ラ・リーガ第26節、レアル・ソシエダ対エルチェが行なわれ、ホームのソシエダが2-0で勝利。ソシエダは直近の公式戦6試合で勝利に恵まれず不調に陥っていたが、久々の勝利で勝ち点を48とし、来季のUEFAチャンピオンズリーグ出場圏内の4位をキープした。
立ち上がりからホームのソシエダが、高いポゼッション率でゲームを支配。ただ、ゴール前まで迫り、シュートは放つものの、枠を捉えられず決定機は作り出せなかった。
しかし、後半早々の48分、久保建英のキャリアハイとなる今季5得点目のゴールで先制。その後も主導権を握るソシエダは、試合終了間際の90分にも加点し、2-0で完勝した。
今回は、ソシエダの先制のシーンを取り上げる。
後半3分、ブライス・メンデスがマルティン・スビメンディからボールを受け、中央から左サイドへボールを運ぶ。この時、エルチェのオーマス・マスカレルがダビド・シルバのマークを離して前に出て対応する。

このシーンのあとからダビド・シルバはなぜフリーになり続け、ゴールに絡めたのか
このあと、エルチェはダビド・シルバを誰も捕まえることができなかった。一体ソシエダはどんな動きを見せたのか、というのがQuestionである。
Answer
久保建英が中へ入ったことで、相手DFがダビド・シルバのチェックに出られなかった
ダビド・シルバのDFとMFとのライン間でのポジショニングが巧みだったことはもちろんだが、このシーンでは久保建英のポジショニングにも注目したい。

久保が中央へ入って相手DFラインをけん制。ダビド・シルバはフリーのままプレーできた
エルチェは3-5-2のシステムで、撤退守備の時には5-3-2の形を取る。対してソシエダは4-3-1-2で、トップ下に入るダビド・シルバはライン間で浮きやすい噛み合わせとなっていた。
エルチェは中盤の1人が下りてスペースを埋めるか、あるいはセンターバック(CB)が前へ出て対応していたが、このシーンではそのどちらもできなかった。
ブライス・メンデスがボールを受けた時、マスカレルはダビド・シルバのマークについていたが、ブライス・メンデスはフリーだったため、マークを離して前に出る必要があった。それでもダビド・シルバに対しては、CBが出て対応できるはずだった。
しかし、ダビド・シルバはライン間で浮き続けた。その状況を作ったのが久保である。2トップの一角に入った久保は、左右に流れて起点を作る動きを繰り返し、このシーンでも左サイドに張ってエルチェのテテ・モレンテを引きつけていた。
ブライス・メンデスからアシエル・イジャラメンディにボールが渡る時、右CBのエリベルトン・パラシオスが前に出ようとするが、そのタイミングで久保が中にポジションを取り、裏が怖いパラシオスは出られなくなった。
そしてソシエダは左サイドバックのアイヘン・ムニョスが高い位置を取ることで、モレンテも動けず、エルチェはダビド・シルバに対応できる選手は誰もいなかった。
こうしてダビド・シルバはフリーでボールを受けることができ、前を向いた瞬間に久保が裏へ走り出すと絶妙なスルーパス。久保が冷静にファーサイドへ流し込んで先制点となった。
ボールを受ける前から、ダビド・シルバと久保の見事な連係が光ったゴールだった。