プロ注目コンビの堀、石野の連続タイムリーが飛び出すなど11安打7得点の快勝 名門の重圧を背負い待望の初勝利を挙げた。阪神…

プロ注目コンビの堀、石野の連続タイムリーが飛び出すなど11安打7得点の快勝

 名門の重圧を背負い待望の“初勝利”を挙げた。阪神甲子園球場で行われている第95回選抜高校野球は24日、第1試合で報徳学園(兵庫)が7-2で健大高崎(群馬)を下し、2017年以来6年ぶりの勝利を手にした。選抜初采配となった大角健二監督は「新鮮と言うか、新たな一歩を踏み出した感覚です」と、安堵の表情を見せていた。

 初回に先制を許したが冷静だった。1点を追う2回2死満塁から3者連続の押し出し四球で3点を奪い逆転。さらに4回にもプロ注目コンビ・堀柊那捕手(3年)、石野蓮授外野手(3年)の連続適時打で2点を追加すると、8回には石野が左翼ポール際に弾丸ライナーで飛び込む1号2ランを放ち試合を決めた。

 繋ぎあり長打ありの11安打7得点で快勝した大角監督は「初戦の硬さがあったが、自分たちの野球ができた。しつこさが持ち味。綺麗なヒットばかりじゃないが、彼らしい打撃はできた」とナインを称えた。

 2017年春から母校・報徳学園の指揮を執る大角監督。2018年の選手権大会では前永田裕治監督(現日大三島監督)の最後の教え子だった小園海斗内野手(広島)らを擁しベスト8の成績を残したが、その後は低迷期が続いた。

大角監督を支える宮崎コーチ、磯野部長に「いい景色を見せてあげたい」

 何度も県内で優勝候補に挙げられながら、あと一歩のところで甲子園を逃す日々。「ある意味、けじめの大会」と、腹をくくった昨秋は近畿大会準優勝の成績を収め念願の選抜出場を勝ち取った。そして、試行錯誤しながら“苦悩の6年間”を経て手にした春初勝利。それでも指揮官は「コーチ、部長たちのおかげ。僕なんかよりコイツらを取り上げてやってください」と、謙遜する。

 大角監督を長年支えてきたのが、宮崎翔コーチ、磯野剛徳部長の2人だった。寝る間を惜しんで練習メニューを考え、最先端のトレーニングを学び、休日を返上してまで選手のスカウティングを行うこともあった。全ては選手たちの夢を叶えるため。その姿を見てきただけに「頑張ってくれているコーチ陣にも、いい景色をみせてあげたい」と、是が非でも勝利を届けたかった。

 雨天中止となった23日には磯野部長の発案で、2009年選抜ベスト4を手にした中京大中京戦の映像を全員で視聴した。1点を追う9回にエース右腕・堂林翔太(広島)から2点を奪って逆転勝ちした先輩たちの姿を目に焼き付け「次は自分たちが……」と初戦に向け士気を上げた。

 監督、選手、コーチの全員で掴んだ悲願の1勝。伝統を引継ぎながら、自立を促す新たなチーム作りが実を結んだ。新生・報徳学園が2002年以来の選抜優勝を目指していく。(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)