3大会ぶりに世界一奪還「世界中の野球ファンに日本の野球が通用することを証明」 第5回ワールド・ベースボール・クラシック(…

3大会ぶりに世界一奪還「世界中の野球ファンに日本の野球が通用することを証明」

 第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の決勝戦が21日(日本時間22日)、米フロリダ州マイアミのローンデポ・ボールパークで行われ、野球日本代表「侍ジャパン」が米国代表を3-2で破り、2009年の第3回大会以来、3度目の世界一に輝いた。“メジャー軍団”を相手に日本の野球が通用することを証明した頂上決戦を、野球評論家の新井宏昌氏は「今後、メジャー志向の選手はどんどん増えてくる。日本野球の未来は明るい」と、称えた。

 最終回は守護神・大谷翔平投手(エンゼルス)が同僚のマイク・トラウト外野手を空振り三振に仕留め、世界一を奪還した。大会序盤の不振からよみがえった3冠王・村上宗隆内野手(ヤクルト)が同点ソロを放てば、岡本和真内野手(巨人)は貴重な追加点となる一発。投げては今永昇太投手(DeNA)、戸郷翔征投手(巨人)、高橋宏斗投手(中日)ら7投手の継投で米国打線を2得点に封じた。

 初戦の中国戦から全試合を見届けた新井氏は「このシナリオは、どんな脚本家にも書けない。大谷、日本のためにあった大会だったともいえる。世界中の野球ファンに日本の野球が通用することを証明した。若い選手が多い中でも臆することなく勝負できたことはすばらしい」と、大会を振り返った。

 勝利のポイントとなったのは、米国打線を2点に抑えた投手陣と見ている。大谷とダルビッシュ有投手(パドレス)の“2枚看板”、日本トップレベルの山本由伸投手(オリックス)、佐々木朗希投手(ロッテ)以外にも“メジャー軍団”に十分に通用する投手たちであふれていたという。

先制許した直後の2回に放った村上の同点ソロは「ベンチに勇気を与えた本塁打」

 今永、戸郷、高橋宏、さらに伊藤大海投手(日本ハム)や大勢投手(巨人)が投じた150キロ台の直球に、米国打線は手を焼いた。ムーキー・ベッツ外野手、マイク・トラウト外野手、トレイ・ターナー内野手ら、メジャーでも超一流とされる打者がタイミングが合わず空振りしたり、ファウルが多かった場面を例に挙げ「NPBのコーチ時代にも日本に来る外国人選手から『140キロ台でも打者の手元でキレがあり、スピード表示以上のスピートを感じる』とよく聞いた。メジャーの一線級の打者が真っすぐに合わせて、それを仕留めきれていない。若い投手陣が臆することなく投げ切ったことは非常に大きかった」と指摘する。

 敵地を黙らせた村上の一発も効果的だった。先発した今永がターナーに先制ソロを浴びた直後の2回。5番・村上は初球の148キロ直球を迷わずスイング。右翼席へ飛び込む特大のソロで同点に追いついた。決勝の大一番で“日本の4番”が最高の結果を残した。

 前日、メキシコとの準決勝ではサヨナラタイムリーを放っていた主砲の一打に「米国の本塁打攻勢でやられてしまうのか。と思う中で、ターナー以上の本塁打を米国のファンに見せつけ劣勢を挽回した。序盤は他のプレーヤーに引っ張られていたが、きょうは村上が引っ張った。ベンチに勇気を与えた本塁打だったのではないでしょうか」と、賛辞を送った。

 3大会ぶりの世界一を手にした侍ジャパン。真っ向勝負で米国に立ち向かい、勝利を勝ち取った姿に新井氏は「世界中の野球ファンを驚かせたと思う。若い選手たちが自分の力を十二分に発揮し、これからもっとメジャー志向の選手は増えてくる。日本野球の未来は明るい。これからも楽しませてくれるはずです」と、大会を振り返っていた。(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)