先発は今永昇太今大会はリリーフで2試合4イニング1失点 第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で侍ジャパンは…
先発は今永昇太…今大会はリリーフで2試合4イニング1失点
第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で侍ジャパンは、メキシコとの準決勝を9回逆転サヨナラ勝ちで制し、21日(日本時間22日)の決勝(米マイアミ)で米国と対戦することになった。WBSC(世界野球ソフトボール連盟)の世界ランキング1位の日本と“実力世界一”と言われる米国が、WBCの決勝で雌雄を決するのは史上初。侍ジャパン勝利の条件を、現役時代にヤクルト、日本ハムなど4球団で21年間捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏が探った。
栗山英樹監督は決勝の先発を、今永昇太投手(DeNA)に託すと明言した。今永は今大会で1次ラウンドの韓国戦と準々決勝・イタリア戦に、いずれもリリーフで登板。計4イニングを3安打5奪三振無四死球1失点、防御率2.25に抑えている。野口氏は「単純に、一番調子がいいのが今永です。WBC使用球を全く苦にせず、日本のレギュラーシーズンで投げているのと変わらない投球ができているところが頼もしい」と指摘する。
しかも、今大会ではもっぱらリリーフで短いイニングに限定されているせいか、自己最速タイの154キロを計測するなど、ストレートが先発ローテの軸として機能している普段に比べて概ね“5キロ増し”だ。決勝でも強力なリリーフ陣が控えているだけに、バージョンアップした姿のまま大役を果たしてほしいものだ。
ダルビッシュ有投手(パドレス)も、16日の準々決勝・イタリア戦で4番手として2回27球(2安打1失点)を投げたのが最後で、休養十分と言える。野口氏は「まだまだ調整段階。ストレートも変化球の精度も、シーズン中のダルビッシュはこんなものではありません」とした上で、「責任感で抑えてきた印象。ネームバリューは抜群ですから、特にアメリカの右打者は嫌がるかもしれません」と見る。場合によってはロングリリーフの可能性がありそうだ。
ダルビッシュ、大谷の可能性も…大勢の抑えが面白い
リードして9回を迎えれば、準々決勝に先発し4回2/3、71球(4安打2失点)を投げてから“中5日”の大谷翔平投手(エンゼルス)が控えている。しかし、野口氏が「仮に抑えを託されても、十分役割を果たすと思う」と高く評価するのが、大勢投手(巨人)である。今大会3試合に登板し3回3安打無失点。準決勝・メキシコ戦でも1点ビハインドの9回に登板し、1死球こそ与えたものの1回無安打1奪三振無失点に抑え、その裏の逆転サヨナラ劇につなげた。
野口氏は「大勢はもともと、150キロ台後半の速球がナチュラルに変化するので、非常に打ちにくい投手ですが、縫い目が高いと言われるWBC球では普段より変化が大きい。チームメートで慣れているはずの大城(卓三捕手)が何度か捕り損ねていたのは、大城自身が緊張していたせいでもあるでしょうが、変化が大きいからだと思います」と言うのだ。
「米国戦で勝つための近道は、ロースコアの展開に持ち込むこと。打ち合いとなっても、絶対に勝てないとは言いませんが、分が悪いのは確か」と野口氏。米国はムーキー・ベッツ外野手(ドジャース)、ポール・ゴールドシュミット内野手(カージナルス)、マイク・トラウト外野手(エンゼルス)のMVP獲得経験者3人をはじめ、トレイ・ターナー内野手(フィリーズ)が“恐怖の9番打者”として今大会トップの4本塁打、日本の吉田正尚外野手(レッドソックス)に次ぐ同2位の10打点を誇るほど、打線の破壊力が凄まじい。
確かに、侍ジャパンとしてはノーガードの打ち合いは避けたいところだろう。いずれにせよ、球史に残る激戦となる予感しかしない。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)