20日、帯広競馬場で行われた11R・ばんえい記念(BG1・4歳上オープン・ダ直200m)は、阿部武臣騎乗の1番人気、メムロボブサップ(牡7・ばんえい・坂本東一)が勝利した。2着に2番人気のアオノブラック(牡7・ばんえい・金田勇)、3着にメ…

 20日、帯広競馬場で行われた11R・ばんえい記念(BG1・4歳上オープン・ダ直200m)は、阿部武臣騎乗の1番人気、メムロボブサップ(牡7・ばんえい・坂本東一)が勝利した。2着に2番人気のアオノブラック(牡7・ばんえい・金田勇)、3着にメジロゴーリキ(牡9・ばんえい・松井浩文)が入った。勝ちタイムは3:34.4(馬場水分1.3%)。

 全頭が1トンの重量を曳くこのレースは、馬場水分1.3%で行われ、陸上自衛隊第5音楽隊による新旧ファンファーレの後、スタートから飛び出した精鋭10頭。第一障害で苦戦する馬もいる中、すんなりと第一障害を越えたメムロボブサップを先頭にコマサンブラック、メジロゴーリキ、インビクタと後続も続き、道中はコマサンブラック、メムロボブサップ、メジロゴーリキ、インビクタが先団を形成。各馬、細かく刻む高重量戦ならではのゆっくりとしたペースでややばらけた形で第二障害に進出。

 各馬第二障害下に到着するとじっくりと息を整え、まずメジロゴーリキ、インビクタの2頭が仕掛け、キタノユウジロウ、メムロボブサップ、アオノブラックと後続も続々と挑戦。各馬が何度も苦戦しながら登坂する中、アオノブラックが一番手でクリア。先頭を行くアオノブラックを2番手で障害を下りたメムロボブサップが力強い脚取りで追いかける。

 残り10mで脚が止まったアオノブラックをすかさずメムロボブサップがかわすと、そのまま押し切ってゴール。ゴール前の一騎打ちを制し、見事昨年2着だった雪辱を果たした。最後までメムロボブサップに食らいついたアオノブラックが2着に入り、3着には昨年の覇者のメジロゴーリキが入線した。

 メムロボブサップを管理する坂本東一調教師、騎乗した阿部武臣騎手は「ばんえい記念」をホクショウマサルで制した2021年以来2度目の制覇となった。また、「ばんえい記念」1レースの発売額は、1億9723万400円となり、1レースあたりの最高額を更新した。

ばんえい記念、勝利ジョッキーコメント
1着 メムロボブサップ
阿部武臣騎手
「今は勝つことが出来てとてもほっとしています。ここ近年ない乾いた馬場のばんえい記念だったので、苦戦すると思っていましたし、レースの流れはゆっくりになるだろうと思っていましたが、タイム的には予想していた通りでした。障害は一腰では絶対に無理ですが、なるべく先に下りて逃げたいと思っていました。先にアオノブラックが下りてしまいましたが、それでも上手く2番手で下りてくれたと思います。下りた後は差が開いていたので差し切れないかと思っていましたし、ゴール前で2、3回止まると思っていたので、良く辛抱して1回も止まらず本当に頑張って歩いてくれました。ばんえい記念だけは他の重賞と違い、特別なレースです。どの騎手も騎乗したい、1着を取りたいと思う、本当に夢のレースだと思います。来年度に向けて馬の体調と相談しながら少しずつまた一からやっていきますので、これからもメムロボブサップと阿部武臣の応援よろしくお願いします」

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坂本師「言葉にならない嬉しさある」


ばんえい記念 口取り (C)ばんえい十勝

坂本東一調教師
「言葉にならない嬉しさがあります。年中通して最高の健康状態でレースに臨めていたので負けても全然悔いはなかったし、主戦騎手が前を向いて調教をしてくれていたので信用して任せています。第二障害の一腰目で天板に上がった時に勝ちを確信しましたが、二腰目が少し早いと感じハラハラドキドキの展開になりましたが、騎手が落ち着いて騎乗してくれたので良かったです。ゴール前は馬と騎手よりも私の心臓が止まるんじゃないかと思うくらい力が入りました。今後は、ライバルもパワーをつけてきますし、この馬を目標とした乗り方をしてくると思うのでそれに対応した作戦を考えていかなきゃ行けないと思いますが、馬の状態は100パーセントで出せるようにしていきます。これからもみなさんに喜びを与えるために私たちも頑張っていきたいと思います」

メムロボブサップ 84戦32勝
(牡7・ばんえい・坂本東一)
父:ナリタボブサップ
母:ピュアレディ
母父:アキバオーショウ
馬主:竹澤一彦
生産者:竹澤一彦

【全着順】
1着 メムロボブサップ
2着 アオノブラック
3着 メジロゴーリキ
4着 マツカゼウンカイ
5着 コマサンブラック
6着 キタノユウジロウ
7着 ミノルシャープ
8着 インビクタ
競走中止 アアモンドグンシン
競走中止 コウテイ