マイアミ市内のスポーツバーへ、米国内の盛り上がり具合を調査「第5回ワールドベースボールクラシック(WBC)」の準決勝が1…
マイアミ市内のスポーツバーへ、米国内の盛り上がり具合を調査
「第5回ワールドベースボールクラシック(WBC)」の準決勝が19日(日本時間20日)、米フロリダ州マイアミのローンデポ・パークで行われ、米国代表がキューバ代表を破り、決勝進出。Full-Count編集部では同時刻に開催されていたマイアミ市内のスポーツバーの観戦イベントを直撃取材。現地の盛り上がりを“調査”した。
午後7時のプレーボールに合わせ、店内は米国-キューバ戦の放映を開始した。最初は空席が目立っていたが、30~40分を経過した頃には300席近くあった座席はほとんど埋まった。歓声を聞いた限りでは7割近くが米国のファンだった。1点ビハインドの初回、ポール・ゴールドシュミット内野手(カージナルス)の2ラン、2回のトレイ・ターナー内野手(フィリーズ)の本塁打が飛び出すと、店内に歓声が響いた。結果的にここから一方的な展開となっていったため、ファンは仲間とのお酒を楽しむ時間がメインになっていったが、店内に熱気があったのは確かだ。
取材をしたのは球場から車で約15分ほどのところに位置するGrails Miami(グレイルズ・マイアミ)というスポーツバー。米国のスポーツだけでなく、世界規模の大きな大会も放送している。WBCがマイアミで開催されている期間は観戦イベントと題して、ホームページなどで告知。客はロサンゼルスやシカゴ、デンバー、テキサスと各地から集まっていた。スタッフは注文を取ることに大忙しだった。
イベント終了後、オーナーのエディ・フエンテス氏に話を聞いた。WBC期間中の客足は「間違いなく増えています。今日は米国人が多くいて、キューバ人もそこまで多くはありませんでしたが、来ていました。先日のプエルトリコ対ドミニカ共和国戦では、とてもとても盛況で忙しかったです」と国際色は連日豊かなようだ。さらに、売り上げの変化について聞くと「かなりあります。20~30%は増えましたね」と声のトーンが高くなった。
米国内のWBC熱、本当のところは…?
米国ではWBCへの興味がそれほど高くないという声もある。その疑問をぶつけると「WBCはまだまだ新しい大会です。みんながみんな毎年、話題にするようなものではありません。しかし、ここマイアミには世界中のいろいろな人たちが、集まっています。ラティーノだけじゃなく、ドイツ人も、アイルランド人も、スコットランド人も、日本人も、中国人も、オーストラリア人も。(WBCは)世界中の人たちが真剣勝負していて、様々な異なる文化の国が戦っています。大いに盛り上がっていますよ」という答えが返ってきた。複数の文化が混ざり合った温暖な大都市マイアミでは、WBC熱が高いといえる。
このスポーツバーでは、メジャーリーグのシーズン中は地元のマーリンズの中継を流しているが、WBCのように客足は伸びないという。今大会もいよいよ佳境。20日(同21日)は侍ジャパンが準決勝をメキシコと戦う。フエンテスオーナーに日本の印象を聞くと「perfection(完璧)という言葉が思いつきますね。日本について私が知っているのは、どんな種類のものでも、例えばウイスキーや野球でも、精通しているものに関しては完璧に辿り着くまで磨き上げるということです」と温かみのある言葉が返ってきた。
食事と取材、支払いを終えるとフエンテスオーナーは「私たちのお店に来てくれて本当にありがとうございました。また近いうちにお会いできたら嬉しいです。質問してくれてありがとうございます」と編集部スタッフにお礼の言葉も添えてくれた。WBC熱も高かったが、オーナーやスタッフたちの心遣いやフレンドリーさも盛況ぶりに繋がっていることも間違いない。(Full-Count編集部)