春は穏やかで過ごしやすい気候ですが、季節の変わり目は何かと不調が出やすい時期でもあります。イライラする、気分が落ち込む…

 春は穏やかで過ごしやすい気候ですが、季節の変わり目は何かと不調が出やすい時期でもあります。イライラする、気分が落ち込むといったことが多いと感じるなら、それは「肝」が弱っているサインかもしれません。

この記事では、春を元気に過ごすための養生のポイントをご紹介します。デトックス効果が期待できる旬の食材もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

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1.春の体調管理には「肝」が重要

春は「肝」に負担がかかりやすくなる季節とされています。漢方医学における「肝」は、私たちが一般的に思い浮かべる「肝臓」とは少し意味合いが異なります。

漢方医学では、人間のからだを「肝」「心」「脾」「肺」「腎」の「五臓」に分類するという考え方があります。「五臓」は特定の臓器をあらわすのではなく、からだの部位や機能によって5つに分けたものです。

「肝」には下記のような働きがあるとされています。
・気の巡りを司り、感情や自律神経を調整する
・からだの循環や代謝、解毒などをコントロールする
・血を貯蔵し、血流を調整する
・筋肉、爪、目の機能を保つ

春になって新陳代謝が活発になると、からだは蓄積した有害なものを排出しようとします。そのため、春は解毒を司る肝臓に負担がかかりやすくなるのです。

また、春は進学や就職、転勤など、生活環境の変化が起こりやすい季節です。加えて、季節の変わり目は朝晩の寒暖差も激しく、こういった環境や気候の変化はからだにとってストレスになります。ストレスは「気」が停滞する原因となり、肝の機能が低下しやすくなるのです。
(※1)

2.春の養生におすすめ! 肝をいたわる食材

おすすめの春の食材をご紹介します。

2‐1.菜の花
菜の花のほろ苦さは、おもに「イソチオシアネート」という成分によるものです。強い抗酸化力をもち、血液をサラサラにする作用があるとされています。水溶性の栄養素の流失を防ぐために、茹でるのではなく蒸し煮にするのがおすすめです。

2‐2.柑橘類
薬膳では、酸味は肝の働きをサポートするとされている柑橘類。春に旬を迎える柑橘類として、甘夏やはっさく、文旦などがあります。柑橘類に豊富なビタミンCは、肝臓の機能を守るのにも役立つ栄養素です。
柑橘類のフレッシュな香りは、気の巡りも良くしてくれますよ。

2‐3.あさり
薬膳では、あさりには血を補う働きがあるとされています。また、肝機能を高める、視力の回復に効果が期待できるとされているタウリンも含まれています。あさりに多く含まれる非ヘム鉄は、ビタミンCやたんぱく質と一緒に摂ると吸収が良くなります。あさりの酒蒸しにレモンを絞るなどの食べ方がおすすめですよ。
(※2)

3. 春の不調によく使われる漢方(情報提供:あんしん漢方)

食事や生活を整えてもからだの不調が解消しないという場合は、漢方を取り入れてみるのもひとつの方法です。
春の季節へ移り変わる時期の不調は、ホルモンバランスの乱れや自律神経の乱れが原因と考えられています。

春の不調の改善には、

・気分の落ち込みを改善する
・血流をよくして自律神経の乱れを整える
・消化・吸収機能を改善してからだの内側から心を元気にする
といった作用のある漢方薬を選び、根本改善を目指します。

漢方薬は心とからだの機能を整えるので、今の症状を改善するだけでなく、健康を維持することも目的としています。
日々の食事や生活習慣を整えるのは大変という方でも、漢方薬なら症状や体質に合うものを飲むだけなので、手軽に毎日続けられそうですよね。

<春の不調にお悩みの方におすすめの漢方薬>

・加味逍遙散(かみしょうようさん):体力が中程度以下で、気分の落ち込みやイライラしやすい方
「気(エネルギー)」の巡りを整えることで、冷えのぼせやホットフラッシュ、神経の高ぶりや抑うつを改善します。

・補中益気湯(ほちゅうえっきとう):元気がなく、食欲不振で疲れやすい方
全身に「気(エネルギー)」を補うことで、胃腸機能を高めて、疲労、倦怠感、食欲不振を改善します。

漢方薬を使うときは、自分の状態や体質に合う生薬を選んでいるかどうか、という点が重要です。合っていないと効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が起こることもあります。

オンラインサービスを利用して、薬効や副作用、漢方薬との相性、日常生活の養生法などを相談してみるといいでしょう。

「あんしん漢方」は、AI(人工知能)を活用した新しい漢方相談サービスです。「オンライン個別相談」を利用すれば、漢方に詳しい薬剤師にスマホで気軽に相談ができます。体質に合った漢方を見極めて、お手頃価格で自宅まで郵送してくれますよ。

4. 旬の食材を取り入れて、春を元気に過ごそう

春は気分が高まるものですが、生活環境や気候の変化によりストレスを受けやすい時期でもあります。少しでも不調を感じたら、それは「肝」が弱っているというからだからのサインかもしれません。旬の食材を取り入れて、早めに食事からケアしてあげましょう。

参考サイト:
(※1)健康長寿ネット「第1回 春の養生」公益財団法人長寿科学振興財団
(※2)e-ヘルスネット「日本人の食事摂取基準(2020年版)」厚生労働省

[文:あんしん漢方]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

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あんしん漢方 管理栄養士 池田明日香(いけだあすか)

管理栄養士として治験コーディネーター業務に従事、食品メーカーにて料理教室運営や商品・メニュー開発などに携わる。
食事を楽しむことと健康的な食生活の大切さを感じ、食と健康関連のコラム執筆、オンラインでのダイエットサポートなど幅広く活動している。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。