全仏タイトルを4回戦で譲り渡したあと、ふたたびよいときをみつけようと努めているガルビネ・ムグルッサ(スペイン)は、「AEGONクラシック・バーミンガム」(WTAプレミア/イギリス・バーミンガム/6月19~25日/賞金総額88万5040ドル…

 全仏タイトルを4回戦で譲り渡したあと、ふたたびよいときをみつけようと努めているガルビネ・ムグルッサ(スペイン)は、「AEGONクラシック・バーミンガム」(WTAプレミア/イギリス・バーミンガム/6月19~25日/賞金総額88万5040ドル/グラスコート)のシングルス1回戦で、今季最初のグラスコートでの試合を命からがら切り抜けた。

 第6シードのムグルッサは、何の抑制もなくボールを全力で強打してくる予選勝者のエリザベータ・クリチコバ(ロシア)を相手に、6-3 3-6 6-4の勝利をつかむ過程で、頻繁に持ち前のエレガントなプレースタイルを放棄し、ラリーの中にとどまるため、なりふり構わずボールを拾いまくらなければならなかった。

「自分が新人であるかのように感じたわ」とムグルッサは言った。「これは私にとってグラスコートでの最初の試合で、彼女は予選でもう3度プレーしていた。彼女はとてつもなくアグレッシブだった」。

 ムグルッサはまた、「何とか切り抜ける方法を見つけなければならなかった。最後の瞬間まで、自分が勝てるかどうかわからなかったわ」とコメントした。

 それはまた、元ウィンブルドン準優勝者のムグルッサが、第2セット5-3から自分のサービスに入ったとき、クリチコバがいっそう止め難きフラットのグラウンドストロークを叩き込んできてブレークを果たし、5-5と追いつくためのチャンスをもぎ取ったからでもある。

 しかし、この本当に重要な瞬間に、ムグルッサはクリチコバの壮観な攻撃を崩すに十分なリズムを見つけ出し、パリで味わった悲しみから抜け出すための最初の一歩を踏み出すことができたのだった。

「グランドスラム大会が、自分が望んでいた形で終わらなかったときには精神的に辛いものよ」とムグルッサ。「私は4、5日休みをとり、今は残りのシーズンを走り続けたいと感じている。新しいスタートを切りたいわ」。

 彼女はアリソン・リスク(アメリカ)に対する2回戦へ挑戦を続けていく。現在、世界ランク45位のリスクはグラスコートでのプレーの向上に励んでおり、今大会では準決勝に進出したこともある。

 2度ウィンブルドンを制した第7シードのペトラ・クビトバ(チェコ)もまた、初戦でテレサ・スミトコバ(チェコ)を6-2 6-3で倒し、2回戦に駒を進めた。

 クビトバの行く道は、自分と同じドローのトップハーフにいるトップ10プレーヤーで、第3シードのドミニカ・チブルコバ(スロバキア)の敗退で、幾分なだらかになったかもしれない。チブルコバは第2セットにあった2つのマッチポイントをものにすることができず、元トップ10のルーシー・サファロバ(チェコ)に7-5 6-7(7) 5-7で惜敗した。

 チブルコバは第3セットでも一時4-2とリードしていたが、終盤のサファロバは、より肉体的に強いところを示して見せる。チブルコバは自分の最後のサービスゲームで、走りながら3本のグラウンドストロークのミスをおかし、そのせいで試合を手放すことになってしまった。(C)AP(テニスマガジン)

※写真は「AEGONクラシック・バーミンガム」1回戦で予選勝者のエリザベータ・クリチコバ(ロシア)に辛勝したガルビネ・ムグルッサ(スペイン)(写真◎Getty Images)

Photo: BIRMINGHAM, ENGLAND - JUNE 20: Garbine Muguruza of Spain reacts during her first round match against Elizaveta Kulichkova of Russia on day two of The Aegon Classic Birmingham at Edgbaston Priory Club on June 20, 2017 in Birmingham, England. (Photo by Ben Hoskins/Getty Images for LTA)