U-20日本代表が、世界への扉を開けた。U20アジアカップでベスト4に入り、今年5月に開催される年代別ワールドカップへ…
U-20日本代表が、世界への扉を開けた。U20アジアカップでベスト4に入り、今年5月に開催される年代別ワールドカップへの出場権を手にしたのだ。この結果が持つ大きな意義を、サッカージャーナリスト・後藤健生が考察する。
■目標のアップデート
こうして、無事にU20ワールドカップ出場権獲得という最低限のタスクを達成した日本代表。次の目標は、もちろんU20アジアカップで2度目の優勝である。
1959年に始まった「アジアユース選手権」時代から数えると半世紀以上、今大会で41回目という長い歴史を誇る大会である。FIFA主催のU-20ワールドカップ(かつてのワールドユース選手権)が始まったのが1977年のことだから(チュニジア開催。2回目の1979年大会が日本開催)、アジアのユースレベルの大会がいかに歴史のあるものかが分かる。
日本は第1回大会から出場しているが、優勝は前々回2016年バーレーン大会でのものが唯一。東アジアのライバルである韓国が最多の12回優勝を誇っているのに対して、日本の優勝はたったの1度しかないのだ。
■世界準優勝チームも苦杯
初期の大会には「20歳以下」という大会レギュレーションにもかかわらず、日本は国内の事情から高校選抜チームを派遣していた。そんな歴史的な事情はあるが、それにしてもJリーグが発足して以来、各年代の代表が世界大会に挑戦を続け、フル代表チームがワールドカップに連続出場する時代になってからもずっと日本はU-20の大会で優勝できていないのだ。
1999年には小野伸二や稲本潤一、高原直泰らを擁するU-20日本代表(フィリップ・トルシエ監督)がワールドユース選手権ナイジェリア大会で準優勝するという快挙を成し遂げたことがあるが、この時もアジアの大会(1998年、チェンマイ=タイ開催)ではグループリーグと決勝で韓国と2度対戦して2度とも1対2で敗れている。
いずれにしても、アジアユース大会は初期の頃から日本のサッカー界にとって非常に重要な位置づけの大会だった。
なにしろ、1960年代、70年代には日本の選手が国際試合を経験する場が代表チームにはほとんどなかったのだ。そんな時代に、高校選抜やU-20代表の若い選手たちが、アジア各国の若手との真剣勝負を経験できたのだから、この大会は非常に重要だった(当時の日本にとって、韓国はもちろん、東南アジアのチームも格上的な存在だった)。
そして、各年代の日本代表チームがさまざまな国際大会に出場するような時代になっても、U-20アジアカップの重要性は変わらない。
なぜなら、あらゆるカテゴリーの日本代表がヨーロッパや南米の強豪国の代表と真剣勝負をするには、FIFA主催のワールドカップに出場する以外にないからだ。
■決勝で待つ強敵
とくに、今年は世界大会出場がいつも以上に重要になる。
というのは、2年前に開催されるはずだった各年代のワールドカップが、新型コロナウイルス感染症の拡大のために中止となってしまったからだ。現在のU-20代表の選手たちも、U-17ワールドカップを経験できなかったのだ。だからこそ、U-20ワールドカップ出場は、将来の彼らにとっても大命題だった。
日本の選手たちは、アジア予選で中国やサウジアラビア相手に「アジア相手の負けパターン」という苦しい経験を積むことができた。そして、そうしたアジア勢の挑戦を落ち着いた試合運びによって克服することに成功したのだ。
この経験で彼らは成長し、チームの一体感も増したはずだ。そして、U-20ワールドカップで世界の強豪国の同年代の選手と戦うことでさらに大きく成長できるのである。
ワールドカップ出場権獲得という最低限の目標を達成した日本代表。優勝に向けての戦いは、ヨルダン戦のような冷静沈着な戦いで勝利を積み重ねることになるのか。それとも、まったく別の展開となるのか……。
準決勝で対戦するイラクは基本的にはヨルダンに近いスタイルのはず。ヨルダン戦の経験が生かされるだろう。そして、決勝戦では宿敵の韓国か、あるいはこの数年、若年層の強化が進んでいる開催国のウズベキスタンと当たる。