3月15日にサッカー日本代表 のウルグアイ戦(24日)とコロンビア戦(28日)のメンバー発表が行なわれる。第2次森保ジャ…

3月15日にサッカー日本代表 のウルグアイ戦(24日)とコロンビア戦(28日)のメンバー発表が行なわれる。第2次森保ジャパンのスタートとなる2試合だが、ここにカタールW杯の功労者であるベテラン選手たちは招集されるのか。5人の識者に意見を聞いた。

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カタールW杯の功労者であるベテラン選手たちは、今回招集されるのか

【若手に出場機会を与えるべき】

杉山茂樹(スポーツライター)

 不必要。その分を若手の出場機会に充てるべし。

 次回2026年W杯のアジア枠は8.5。日本の突破確率は限りなく100%に近い。本大会出場の可能性が世界で最も高い国、無風区に身を置く国である。

 ここ何回かのW杯予選も、落選の可能性は2割にも満たなかった。しかしたとえば前回は冒険を恐れ、力の衰えが顕著な長友佑都(FC東京)をカタールW杯本番まで使い続けた。

 一方で能力の高い三笘薫(ブライトン)を軽視。彼がウイングバックのポジションに長友の交代要員として試合の途中から登場する姿に、落胆を覚えずにはいられなかった。森保一監督は三笘を長友以下として扱った。そうした間違いは2度と起こすべきではない。

「同じ実力なら若手を使え」は、代表チームの常識。余裕がある今回は4対6で劣っても、若手を使えと言いたくなる。シーズンが佳境を迎えている海外組を客寄せパンダよろしく、無理に招集する必要もない。

 呼ぶならば旗手怜央(セルティック)などカタールW杯の落選組で、それに実力派の国内組と五輪チーム(U-21)のメンバーをアレンジした1.5軍級で今回は十分だと考える。

【GKひとつをとっても変革は必要】

小宮良之(スポーツライター)

 ベテランか、若手か、で括るべきではない。年齢に囚われると、見えるべきものも見えなくなる。選ばれるにふさわしいプレーをしているか、代表にどれだけの貢献ができるか、を徹底的に基準とするべきだ。

 とは言え、ワールドカップが終わって世代交代を促すタイミングとも言える。

 たとえば、今年で40歳になる川島永嗣(ストラスブール)は自ら「ひとつの区切り」という言葉を使い、代表引退を示唆している。今も十分に戦力になるし、経験者ならではの貢献はできる。しかし、どこかでケリをつけるべきだろう。

 GKひとつをとっても、変革は必要だ。

 カタールW杯、正GK権田修一(清水エスパルス)は神がかったスーパーセーブもあった。しかし、J2にチームを落とした事実は重い。必然か、波も激しかった。

 新しい船出では、実績を上げているGKを登用すべきだろう。シュミット・ダニエル(シント=トロイデン)、中村航輔(ポルティモネンセ)の欧州組2人は筆頭格。昨シーズンのJリーグ最優秀GKで、先日MLSデビューを果たした高丘陽平(バンクーバー・ホワイトキャップス)、ガンバ大阪で定位置を奪った谷晃生が次点か。ほかにも、日本国籍を取得した朴一圭(サガン鳥栖)、年齢を取っ払えば西川周作(浦和レッズ)、菅野孝憲(北海道コンサドーレ札幌)も選出に値するが......。

 実力・実績主義を基本にしながら、全体では世代交代に入るべきだろう。

 その点、長友佑都(FC東京)や柴崎岳(レガネス)はすでに厳しい。吉田麻也(シャルケ)は現チームを踏襲するなら欠かせないが、能動的サッカーに転換するなら、早晩、破綻がくる。台頭著しい攻撃の選手は、違うライン設定を求めるはずで......。

【多くのポジションでベテランを上回るタレントがいる】

原山裕平(サッカーライター)

 ワールドカップのような短期決戦では経験豊富なベテランの存在は不可欠で、それは過去の大会でも証明されている。しかし3年半後の本大会を目指す新チームの立ち上げ時には、すでに実力がわかっているベテランよりも可能性を秘めた若手にチャンスを与えたほうが賢明だろう。

 先のワールドカップでオーバー30だった選手は8人で、レギュラー格だったのは権田修一(清水エスパルス)、吉田麻也(シャルケ)、長友佑都(FC東京)の3人。酒井宏樹(浦和レッズ)はケガの影響もあり出番が限られ、谷口彰悟(アル・ラーヤン)は3戦目から出場機会を得たものの、川島永嗣(ストラスブール)、シュミット・ダニエル(シント=トロイデン)、柴崎岳(レガネス)の3人には出番は訪れなかった。

 このなかから今回のメンバーに選ばれそうなのは、層の薄い右サイドバック(SB)の酒井宏樹と、全員が30代のGKのなかでは最年少だったシュミット・ダニエルくらいだろう。

 ほかのポジション(センターバック、左SB、ボランチ)には彼らの存在を上回れるだけのタレントは揃っている。経験値を落とし込む役割は、カタールのピッチに立った中堅選手で務まるはずで、本大会ならまだしも、リスタートを切る現時点でベテランを招集するメリットはさほどないと考える。

【秋の代表ウィークではベテランも招集対象】

中山 淳(サッカージャーナリスト)

 カタールW杯に出場したベテラン勢のなかで、大会後に代表に関して「ひと区切り」と表明したのはGK川島永嗣(ストラスブール)のみ。つまり、キャプテンを務めた吉田麻也(シャルケ)をはじめ、長友佑都(FC東京)、権田修一(清水エスパルス)、酒井宏樹(浦和レッズ)らは、森保監督にとって招集対象の選手になる。

 ただ、長期的な視点に立てば、少なくとも3月の代表ウィークで彼らを招集する必要性は感じない。しかも、吉田は現在所属のシャルケで熾烈な残留争いに巻き込まれており、この時期はクラブの活動に集中すべきだろう。同じく、権田はJ2(清水エスパルス)でプレーしている身であり、長友は現在FC東京で控えのSB。そういった部分を含め、敢えて彼らを招集する理由は見当たらない。

 ただし、今年9、10、11月の代表ウィークは事情が異なる。当面の目標である来年1月のアジアカップに向けて、調子さえよければ彼らベテラン勢も招集対象にすべきだろう。

【当面は招集する必要はない】

浅田真樹(スポーツライター)

 結論から言えば、当面はベテラン選手を招集する必要はない。ワールドカップが終わり、新たな4年(実際には3年ちょっと)が始まるのだから、新戦力の登用に注力し、世代交代を図るべきだ。

 そこでは、来年1月開幕のアジアカップをどう考えるかによって、程度の差は出てくるかもしれない。

 アジアカップを次回ワールドカップへの通過点ではなく、絶対に勝たなければいけない大会と考えるなら、今秋の活動あたりでは一度ベテランを戻し、来年1月に備える必要はあるかもしれない。そこを乗りきった上で、再び世代交代に大きく舵を切るという手もあるだろう。

 だとしても、基本的にはベテラン選手――具体的には2026年時点で30代後半になる選手を呼ぶのであれば、その枠を新たに台頭してきている選手を試す機会に使ってほしい。

 経験があるベテラン選手は、言い換えれば計算が立つ選手。ワールドカップ本番が近づいた時点でもなおトップフォームを保ち、日本代表が必要とするなら、その時に呼べばいい。