日向坂46・富田鈴花が語る「私のモータースポーツ愛」前編 日向坂46として活躍中の富田鈴花さん。彼女の【鈴花】という名前は、F1が大好きな母親が「鈴鹿サーキット」にちなんで命名したもの、というのは有名な話である。 それがきっかけとなり、20…

日向坂46・富田鈴花が語る「私のモータースポーツ愛」前編

 日向坂46として活躍中の富田鈴花さん。彼女の【鈴花】という名前は、F1が大好きな母親が「鈴鹿サーキット」にちなんで命名したもの、というのは有名な話である。

 それがきっかけとなり、2022年にはスーパーフォーミュラの魅力を伝える番組『GO ON!NEXT サーキットで会いましょう』(BSフジ)のMCに抜擢され、大きな注目を集めた。

 番組を通してさまざまなことを知っていくうちに、すっかりモータースポーツの虜(とりこ)になったという。彼女が思う「レースの魅力」について、思う存分に語ってもらった。

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日向坂46の富田鈴花さんがモータースポーツ愛を語りまくる

── 富田さんのお名前『鈴花』の由来は鈴鹿サーキットということで、お母さまが大のモータースポーツ好きと聞いています。富田さん自身はいつ頃からモータースポーツに興味を持たれたのですか?

「昨年の夏に番組MCのお話をいただいてからです。その前までは、母から聞いた話とかでアイルトン・セナ選手や、歴史に名を残した方々の名前は知っていましたけど、その方々がどういう功績を残したかというのも全然知らなかったんです」

── お母さまの影響で富田さんも子どもの頃、テレビでF1を見たりしていました?

「母がF1にハマった時期は、私が生まれる前だったんです。1995年とか1996年くらいみたいなんですが......。その時期に母が鈴鹿サーキットに行っていたというので、私が生まれてからはポスターや写真でしか母がF1好きだったのを知らなかったです」

── 小さい頃に富士スピードウェイに行っている写真が番組内で紹介されていましたが、あれはいつ頃のことですか?

「私がすごく幼い頃なんですけど、日産のイベントだったと思います。その時、マイカーでコースを走れるイベントに参加して、母の運転でコースをゆっくり走ったのは今でも鮮明に覚えています」

── 番組のMCが決まった瞬間は、どんな心境でしたか?

「本当に最初は知らないことばかりだったので、『私で大丈夫ですか?』という感じでした。『スーパーフォーミュラ』というものがどんなものか、まったく知りませんでしたし、F1という大きなカテゴリーは知っていたんですけど『(そのほかに)こういういろんなレースがあるんだ』という感じでした(苦笑)。

 MCもそんなに経験したことがなかったので、ひとりで務まるのかなと思いました。でも、スタッフのみなさんと打ち合わせした時に『知らない富田さんのままでいいんですよ』と言っていただけたので、そこから『がんばろう!』と思いました」

── それでも、初めての収録の時は緊張したのでは?

「めっちゃ緊張して、手汗が止まらなかったです(苦笑)。初回収録ということもあってか、けっこう関係者のみなさんがスタジオに見に来てくださっていて。しかも、初回のスペシャルゲストが近藤真彦監督......。

『こんなにすごい方たちを相手に、ひとりでMCしないといけない......』と思いました。ですけど、出演者のみなさん1人ひとりがMCのような振る舞いをしてくださったので、安心して初回収録を終えることができました。

 あと、近藤監督はアイドルで活躍されている時からレースもやっていたんだよ、というのを母から聞いたのを幼いながらにすごく覚えていたので、こんな形で(近藤監督に)お会いできるのがすごくうれしかったです」

── 番組を通していろんな取材に行かれたと思いますが、『スーパーフォーミュラが面白いな!』とハマった瞬間はどのタイミングでしたか?

「番組のお話をいただいてから、母とめちゃめちゃ勉強しました。鈴鹿での2020年のレースだったと思うんですけど、それを全部フルタイムで見て、そのほかのレースもダイジェスト版ですべてチェックしたので、その頃から没頭していきました。

 初回収録が始まる前までに、まずは選手のことを覚えなきゃいけないと思って、自分でノートを作って、選手の名前・誕生日・身長・体重などネットに載っていることは全部書き出しました。ある意味、ファンのような視点から勉強し始めたので、気がついたら没頭していたな......という実感はあります。

 あと、スーパーフォーミュラだけでなく、スーパーGTというカテゴリーも盛り上がっているレースということを知りました。スーパーフォーミュラに出ている選手がスーパーGTにも参戦されていることが多いので、『そっち(スーパーGT)の戦い方も知っておかないといけない!』と思って、スーパーGTも母と一緒に見るようになっていきました」

── スーパーGTもチェックしているとは......すごいですね。カテゴリーによって魅力は異なると思いますが、富田さんはそれぞれどのような魅力を感じていますか?

「スーパーGTで言いますと、普通のクルマのような形をしたマシンたちがあんなに"スレスレ"の距離で走るのが......もう、意味がわからないくらい『破天荒なことだなぁ!』と。まるでスタント映画を見ている感じで『こんな戦い方をして大丈夫なの?』と最初は思っていました。だけど、知れば知るほど『クルマってすごく繊細なんだ』ということを感じました。

 ちょっとしたクルマの傷やタイヤの痛みがあっても、走れなくなっちゃったりするじゃないですか。『そんなに繊細なものをどうやって操っているんだろう?』って思いましたし、そういうのを知るとより『面白い!』とますます感じています」

── すごく細かいところまでチェックされていますね。

「スーパーフォーミュラに関しては、今ではヘイロー(頭部保護デバイス)がついていますけど、それがない時代もあったじゃないですか。その時代の映像を見て、本当にドライバーのみなさんはむき出しの状態で、雨に降られても戦っていらっしゃっていると......。

 体とクルマが一体化したような状態で、最高スピードだと時速300km近くまで出て、そのなかで0.001秒を争っている姿を見て、『アツい!』と思いました」

── モータースポーツ特有の単語などは難しくないですか?

「モータースポーツ関連のわからない言葉はたくさんあったので、ノートに書き出して単語帳を作りました。『オーバーテイクとオーバーテイクシステムは何が違うんだろう?(※)』というところから調べて(笑)。実家に帰ってテレビでレースを見ていても、わからない言葉が出てきたら一旦止めて調べるようにしていました。

※=「オーバーテイク」は前のマシンをコース上で追い抜くこと。「オーバーテイクシステム」はスーパーフォーミュラで独自に採用されている前方のマシンを追い抜く機会を増やすためのパワーアップシステム。作動すると10%(約50〜60馬力)出力がアップする。

── すばらしい。すごく貪欲ですね。

「でも、それが楽しいからできたんだと思います。嫌々でやっていたらできなかったですね。学校の勉強とはちょっと違う感じでした!」

── 事前に予習をして、番組MCとして初めてサーキットに行ったのが富士スピードウェイでのスーパーフォーミュラ第6戦(7月17日)だったと思います。サーキットやパドックについた時の心境はいかがでしたか?

「本当に涙が出ました! いつもギリギリのところで出なかったりするんですけど......あの時は涙が出ちゃいました。人間が感じられる五感のすべてを使って味わえる最高の空間だなと思って......本当にシビれました」

── スタートの瞬間は感極まったようですね。

「スタートした瞬間もすごかったですけど、目の前を走っていくマシンを目で追いかけようと、子どもみたいな感じで、ずっと首を左右に振ってマシンを追いかけていました(笑)」

── 生でレースを見て、スーパーフォーミュラの印象は変わりました?

「エンジニアやメカニックの方々は、やっぱり常にクルマを調整されているんだなと思いました。限られた時間のなかで緻密に調整されている姿を実際に見て、あらためて感じたことです。

 レース当日は取材でピット裏を歩くことも多かったんですけど、そこに置かれているタイヤの数がすごくて、『めっちゃ映えだなぁ!』と思いました。大量のタイヤが並べられているのを見ることができてうれしかったですし、感動しました。

 あとは、ピットガレージの数がすごく多いなと思いました! ピットエリアが広いので、あの日は(取材で)すごく走り回りました。最初は『ピットの数は十数個くらいだろうな』と思ったんですけど、その何倍もあって『こんなにたくさんあるんだ!』と。まだまだ知らないことがたくさんあるので、これからが楽しみです!」

── 富田さんの名前の由来にもなっている鈴鹿サーキットに初めて行くこと(10月30日/スーパーフォーミュラ最終戦)になった時は、また感動があったのではないですか?

「はい。前日はまったく眠れなかったですし、(東京から)鈴鹿に行くまで3〜4時間はかかると思うんですけど、一睡もできませんでした。人生で一番、興奮した日だったと思います。

 実は、スーパーフォーミュラ最終戦の前にF1日本グランプリ(決勝10月9日)もあったので、行けたら行ってみたいなと思っていたんです。ですけど、チケットも取れないだろうし、スーパーフォーミュラの前に行くのはな......と思って。我慢してやっとの思いで鈴鹿に辿り着けたので、その感動もありました」

── F1日本グランプリも行ってみようと計画していたのですか?

「行ってみたい思いはありました! モータースポーツにどっぷりハマっていた時期なので。昨年は叶いませんでしたけど、今年は絶対に行きたいなと思っています!」

── 鈴鹿サーキットはコースだけでなく、いろんなアトラクションもあります。スーパーフォーミュラ最終戦の取材では回りきれていないところも多かったのでは?

「めちゃめちゃあります! 番組の収録で観覧車は乗りましたけど、それ以外のアトラクションも乗ってみたいなと思いました。これから何回も通って、プライベートでもめちゃめちゃ楽しみたい気持ちもたくさんあります。

 あと、富士スピードウェイでも思ったんですけど、サーキットでのフードはめちゃくちゃ充実しているなと思いました。出店数もたくさんあって、けっこう気になっています。取材の合間に自由に食べに行けるわけではないので......プライベートで行った時にそういう空間も楽しみたいなと思います」

影山優佳に「F1とスーパーフォーミュラとの違いは?」と聞かれて...

【profile】
富田鈴花(とたみ・すずか)
2001年1月18日生まれ、神奈川県出身。日向坂46(2期生)。星座=やぎ座。血液型=A型。身長165.5cm。SNS=インスタグラムはこちら>>

<衣装=ALCATROCK、メイク=谷口理子(Taniguchi Riko)>