TBS石井大裕アナウンサーが侍ジャパンの対戦国を全力取材 日本中が注目する「第5回ワールド・ベースボール・クラシック」(…
TBS石井大裕アナウンサーが侍ジャパンの対戦国を全力取材
日本中が注目する「第5回ワールド・ベースボール・クラシック」(WBC)が、8日に開幕した。3大会ぶりの優勝を目指す野球日本代表「侍ジャパン」は「カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC 東京プール」で9日の中国戦(東京ドーム)が初陣となる(午後6時からTBS系列などで生中継)。ワクワク感満載の戦いがいよいよ始まるが、気になるのは未知な部分が多い対戦相手だろう。本番を前にして相手国の全力取材を敢行したTBS石井大裕アナウンサーに聞いた。
石井アナは2010年にTBSに入社したが、それ以前も学生ながらフリーの立場で活動していた。作家であり、スポーツライターの“レジェンド”鉄矢多美子さんの助手を務めていたという。「鉄矢さんは僕の完全なる師匠です。3年半くらいですかね、一緒にアメリカは全土、世界中を転々として、取材に関していろいろ教えていただきました」。
その時に身につけた“取材力”はTBSアナウンサーとなってから、さらに“進化”し、今回のWBC事前取材でも発揮されている。侍ジャパンの初戦の相手、中国に関しても、培った人脈などをフル活用。「中国棒球協会の方ともずっと話をしています。4大会連続出場でコーチ兼任のレイ・チャン(内野手)とかとも連絡をとっていました」。2月には中国代表の鹿児島合宿にも行って、多くの選手の生の声も聞いてきたそうだ。
レベル的には上位ではない中国代表だが、その中で注目は投手ではエンゼルス傘下の25歳右腕アラン・カーターだ。「彼ともいろいろ話をしました。(ストレートは)97マイル(156キロ)くらい出るって言ってましたね」。エンゼルスのキャンプには参加せず、最初から中国代表の合宿に参加して調整してきた。「シンガポール生まれですけど、アメリカでずっと育った。リー大学を卒業していますが、実はダルース高校の時にも注目された選手。最終学年の時には62イニングで78三振くらいとったそうです」。
大谷翔平との対戦は「夢」…リャン・ペイ外野手は東海大菅生高出身
野手ではチェン・チェン内野手の名前を挙げた。「27歳の三塁手で、バッティングのセンスは非常に高い。レイ・チャンも『もっとちゃんと技術を磨けば、もっといい選手になる』と言ってました。2006年(第1回WBC)で上原(浩治)さんからホームランを放ったワン・ウェイ(捕手)のような一発があるというか、ちょっと油断すると、打つ可能性を秘めていますよ」。ちなみにワン・ウェイは現在代表コーチで、チェン・チェンを指導している。
さらに石井アナはこんなことも話した。「MLBは中国に関してはアカデミーを作ったり相当、力を入れています。今年9月に杭州でアジア大会があり、TBSも中継しますが、その大会のために野球場を2つ、ソフトボール専用の球場も2つと、4つの素晴らしいスタジアムを作った。中国棒球協会の人に聞くと『野球人口はまだ少ないけど、ハード面はかなり充実してきた。あとは選手の強化とかソフト面が必要になる』と言ってましたね」。
侍ジャパン・大谷翔平投手との対戦が予想されていることも、中国代表選手を奮い立たせているという。石井アナは「(外野手の)リャン・ペイは東海大菅生出身。彼は自分が日本との架け橋になりたいとすごく強く思っている。『大谷選手と対戦できるなんて、本当に夢のようなこと』と言ってました。僕も話を聞いていて、彼が経験して後世に語り継いでいくことが、ひとつ大きな野球発展のきっかけになりそうな予感がしました」と熱く語った。
中国代表には元ソフトバンクの真砂勇介外野手もいる。こちらもどんなプレーを見せてくれるか、掘り下げれば、掘り下げるほど、楽しみはいっぱいだ。そして、それは侍ジャパン2戦目の相手にも……。石井アナは“厳戒態勢”の宿命のライバル・韓国代表のアリゾナ強化合宿にも行ってきたという。(山口真司 / Shinji Yamaguchi)