今季新人として36年ぶりに遊撃開幕スタメンを勝ち取り、ここまで全試合にフルイニング出場(6月21日現在)している埼玉西武ライオンズの源田壮亮内野手。社会人時代は主に9番を打っており、打撃が課題とされていた。しかし、ここまで打率.278、2本…

今季新人として36年ぶりに遊撃開幕スタメンを勝ち取り、ここまで全試合にフルイニング出場(6月21日現在)している埼玉西武ライオンズの源田壮亮内野手。社会人時代は主に9番を打っており、打撃が課題とされていた。しかし、ここまで打率.278、2本塁打、23打点をマークしている。プロ入り後、打撃にどのような変化があったのだろうか。

■新人王候補の西武源田、社会人時代に課題だった打撃で結果残せるワケ

 今季新人として36年ぶりに遊撃開幕スタメンを勝ち取り、ここまで全試合にフルイニング出場(6月21日現在)している埼玉西武ライオンズの源田壮亮内野手。大分商高から愛知学院大、トヨタ自動車を経てドラフト3位指名を受け入団。守備と走塁には定評があったが、社会人時代は主に9番を打っており、打撃が課題とされていた。しかし、ここまで打率.278、2本塁打、23打点をマークしている。プロ入り後、打撃にどのような変化があったのだろうか。

 源田は「社会人時代は手先だけで打っていましたが、プロに入って、キャンプの時から監督、コーチに『しっかり下半身を使って強く振れ』と言われて、それを意識するようになりました」と話す。

 大学時代は引っ張る打ち方で「そこそこ打てていた」というが、社会人時代は源田の走力を活かすチームの方針もあり「左に転がして走る」バッティングを意識していたという。その結果、「走り打ちばかりしていたら、引っ張れなくなりました」。

 6月8日の巨人戦ではプロ初本塁打となる2ラン、続く6月13日の阪神戦では2号ソロを放ち、社会人時代には1本も打っていない本塁打をすでに2本、どちらも右翼へ放っている。「たまたまです」と謙遜するが、右方向に引っ張れるようになっただけでなく、結果的に左方向にも力のある球を打てるようになったと実感しているそうだ。

■大学+社会人+プロの指導=開花、「いい具合に合わさっている」

「左方向への力のある打球は、大学時代にはなかったですね。今は大学での打撃と社会人での打撃が、いい具合に合わさっていると思います。『左に打っていた社会人の2年間も無駄ではなかったね』と、周りに言われます」

 好調の理由を冷静に分析しているが、それでも今の成績には自身も驚いている。早くもパ・リーグ新人王候補として注目されているが「シーズンが始まる前は、1軍でプレーすることが目標でした。今のプレーを続けられるように頑張るだけです」と控えめに話す。

 体調についてたずねると「多少疲れはあります。でも大丈夫です」と笑顔を見せた。しかし、体重が減ってしまうことが悩みで、夕飯を食べた後、寝る前にもう一度、卵や納豆で白いご飯を食べているという。

「食べるしかないです。何とか夏場を乗り切りたいと思います」

 コンディションを維持し、開眼した打撃で活躍を続けられるか。期待のルーキーから目が離せない。

篠崎有理枝●文 text by Yurie Shinozaki