■連勝を狙う仙台は先制するも… 3月4、5日に開催されたJ2リーグ第3節では、J1昇格候補のジュビロ磐田が初勝利をあげ…
■連勝を狙う仙台は先制するも…
3月4、5日に開催されたJ2リーグ第3節では、J1昇格候補のジュビロ磐田が初勝利をあげた。連勝スタートのモンテディオ山形を、2対1で下した。J1昇格候補では、FC町田ゼルビアも勝点3をつかんでいる。町田に敗れたツエーゲン金沢は、22チームで唯一の3連敗となった。
そのほかのJ1昇格候補を見ると、ベガルタ仙台が徳島ヴォルティスと引分けている。1対1で勝点1を分け合った。
敵地に乗り込んだ仙台は、0対0で迎えた後半から攻撃をシフトアップした。そして52分、MF中島元彦の正確な左CKをCB菅田真啓がヘディングで合わせた。3バックの中央を担う新加入の25歳が、ゾーンディフェンスの隙間でボールを叩きつけた。
ホームの徳島が動いたのは64分だ。スペイン人のベニャート・ラバイン監督は2枚替えで選手の立ち位置に手を加え、サイドアタッカーの西谷和希を左SBに置いたのだ。右SBで先発している浜下瑛も、本職はサイドアタッカーである。システム上は4-1-2-3でも、実際は2センターバックとアンカー以外の7人が攻撃に重心を置く配置となったのだ。
その矢先に、仙台を悲劇が襲う。最終ラインにポジションを下げた徳島の西谷のスルーパスに、3トップ中央のFW渡大生が反応する。DFラインの背後へ抜け出したところで、仙台の左CBキム・テヒョンが渡の身体に手を伸ばした。主審がホイッスルを吹くと、キム・テヒョンにレッドカードが示されたのだった。
■徳島の超攻撃的布陣を抑えきれず
キム・テヒョンの退場で、仙台は10人での戦いを強いられる。この時点で70分だ。アディショナルタイムを含めた20数分を、しのぐことができるのか。
伊藤彰監督はすぐにDF蜂須賀孝治を投入し、3バックの人数を揃えた。82分にはMF松下佳貴とMF遠藤康を投入し、ボールの配球役とその収まりどころを増やす。
徳島のラバイン監督も交代カードを切る。仙台の2枚替えと同じタイミングで、浜下を下げてMF杉森考起を投入した。右サイドからの突破力をさらに補強したのだ。
後半アディショナルタイムには、CBカカを最前線へあげた。187センチのブラジル人をターゲットに加える。それでも仙台は持ちこたえていたが、90分にゴールを割られてしまった。
伊藤監督は試合後のフラッシュインタビューで、「最後にやられたところは、もう一回反省しないといけない」と話した。クリーンシートこそ逃したものの、3戦負けなしの滑り出しは評価できるはずだ。
次節は3月12日、ホームにいわきFCを迎える。東日本大震災の発災翌日の開催だ。被災地をホームタウンとする両チームにとって、特別な感情を呼び覚ます一戦である。
様々な思いを胸に秘めて、両チームの選手たちはピッチに立つ。