2年連続13勝を挙げていた武田翔太は怪我もあり13登板にとどまった 3月9日、いよいよ野球日本代表「侍ジャパン」は第5回…
2年連続13勝を挙げていた武田翔太は怪我もあり13登板にとどまった
3月9日、いよいよ野球日本代表「侍ジャパン」は第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の初戦を迎える。WBCに選出された選手は例年よりも早めの調整が求められることもあり、シーズン開幕後に影響が出ないか、不安に思うファンも少なくはないだろう。
そこで、2017年の第4回大会に参加した当時パ・リーグ所属の選手たちが、同年のシーズンで残した成績を紹介。2016年と2017年の数字を比較することにより、前回大会に出場した選手たちの成績が、どの程度変化していたのか振り返っていきたい。
まずは、9人の投手たちを見ていく。石川歩投手は2016年に最優秀防御率を受賞。抜群の制球力を武器にリーグ屈指の先発投手となりつつあったが、2017年はキャリアワーストの防御率5.09と安定感を欠き、勝ち星もわずか3つと大苦戦を強いられた。
宮西尚生投手も例年通りに50試合登板を果たしたものの、防御率は1.52から3.32に悪化。ホールドポイントも42から29へと大きく減少し、疲労の影響が感じられた部分は否めなかった。武田翔太投手も2015、2016年と2年連続で13勝以上を挙げていたが、2017年は故障の影響もあって13試合の登板にとどまった。以降も故障が相次ぐなど完全復活は果たせていない状況だ。
則本昂大は自己最多タイ15勝、自己最高の防御率2.57&222奪三振
一方で、WBCを経て成績を向上させた投手たちも。松井裕樹投手は防御率を3.32から1.20へと大きく改善。防御率0.87を記録した2015年に見せていた安定感を取り戻し、守護神として充実の1年を送った。則本昂大投手も、自己最多タイの15勝、自己最高の防御率2.57。さらに自己最多の222奪三振を記録し、4年連続の最多奪三振を獲得しただけでなく、8試合連続2桁奪三振というNPB記録も樹立した。
牧田和久投手は防御率こそ1.60から2.30に悪化させたものの、2016年と同様にセットアッパーとしてフル回転して登板数は8試合増加。千賀滉大投手はWBCで先発と中継ぎを兼任し、同大会では日本代表で唯一となるポジション別優秀選手に選出。シーズンでも防御率は2016年とほぼ同じで、勝ち星は1つ上積みした。平野佳寿投手は2016年同様、58試合に登板し、中継ぎとしてフル回転した。
やや特異なケースといえるのが増井浩俊投手で、2016年はシーズン途中に先発に転向して10勝を挙げた。2017年は抑えに復帰して27セーブ、奪三振率14.01を記録した。調整の難しいオフシーズンを経たことを考えれば、十二分に成功の1年だったと形容できよう。
続いて野手6人の成績を確認していきたい。中田翔内野手はWBCでは日本代表の中軸も務めたが、開幕後は打率.216、OPS.676と極度の不振に苦しみ、狂った歯車は最後まで噛み合わなかった。大野奨太捕手も2016年はゴールデングラブ賞を受賞する活躍を見せ、チームの日本一に大きく貢献した。だが、2017年は故障の影響もあって打撃成績が悪化。持ち味の一つだった盗塁阻止率も2016年の.310から.098に落ちた。
秋山翔吾は本塁打&打点でキャリアハイ、OPS.933をマーク
残る4人はいずれも一定以上の成績を残した点は興味深いところだ。炭谷銀仁朗捕手は長年にわたって打撃を課題としていたが、2017年に打撃開眼。キャリアで初めて打率.250を上回り、2016年に比べてOPSを.100以上改善させた。秋山翔吾外野手は2年ぶりに打率.300を上回っただけでなく、本塁打も初めて20本を超えた。本塁打と打点はキャリア最多の数字で、OPSも.933と極めて優秀な水準に到達した。
内川聖一内野手は故障の影響で出場試合数こそ減ったものの、わずか73試合で12本塁打とハイペースでアーチを記録。出塁率.370、OPS.851はいずれも首位打者に輝いた2011年に匹敵する数字で、打撃内容そのものはキャリアの中でも上位に入る優秀さだった。松田宣浩内野手はWBC準決勝で敗退につながる痛恨のエラーを犯してしまったが、その影響を引きずることなく奮闘。3年連続となる全試合出場を達成し、概ね2016年と大差のない数字を記録して、チームの日本一奪還にも貢献を果たした。
開幕後は苦しいシーズンを送った選手もいれば、逆に覚醒のきっかけをつかみ、さらなる飛躍を果たす選手も存在。2016年と同等、あるいはそれ以上の活躍を見せた選手のほうが数字の面では多いという点も、ファンにとっては心強い材料といえよう。もちろん、シーズン開幕後に各選手がどのような結果を残すのか、現時点ではまだわからないのも確かだ。来たる本大会における日本代表の躍進を祈りつつ、WBC戦士たちがレギュラーシーズンにおいても、本来の実力を発揮してくれることを願ってやまない。(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)