外出自粛やリモートワークの普及により生活の中心が家庭へと移り、自炊の機会が一気に増えるなど、消費者の生活は一変しました…

 外出自粛やリモートワークの普及により生活の中心が家庭へと移り、自炊の機会が一気に増えるなど、消費者の生活は一変しました。

コロナ禍で飲食業界の雇用不安が広がる中、店舗に頼らないニューノーマルな働き方として「出張シェフ」が注目されています。

出張シェフサービスを運営する「シェアダイン」では、コロナ禍の影響が出る以前の2019年と比較すると、飲食店出身のシェフの登録が急増しています。

コロナ禍をきっかけに出張シェフの活動を始めたシェフの中には、レストラン勤務の頃と比較して年収が2倍になったシェフや、年収1,000万円を目標とするシェフが出てきました。

今回は、「AKARIシェフ」に出張シェフのリアルな話をお伺いしました。

AKARIシェフ

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出張シェフを続けられながら、東京から京都に移住されたそうですね

はい、京都には2022年12月末に引っ越してきました。出身は群馬県で、国際系の短大に進学してから7年東京に住みましたが、25年間も関東に住んだので、次は関西にも住んでみようと考え移住を決めました。

もともと京都には旅行で3、4回来たことがあり、街並みも好きだったので住んでみたいと思っていました。シェアダインのシェフとしてお仕事を続けられるし、引っ越しも好きなので、新天地を開拓しようと頑張っています。ゼロからのリスタート、といった感じです。

京都は自然もありつつ、昔ながらの長屋など日本家屋風の建築がたくさん残っているところが好きです。そういった町なみを見ながら出張に行くだけでも、楽しいですね。京都に来たばかりの頃は、少しびくびくしていましたが、実際出張料理でご家庭に伺うと、お客様は優しい方ばかりです。

東京ではどのようなキャリアを積まれたのですか?

短大卒業後にホテルに就職し、2年弱フロント業務に就きました。東京で一人暮らしを始めてから自分で料理をするようになり、料理にすごくこだわるようになったんです。シェアダインはホテルに勤めているときに、副業がてら登録していました。

2020年の1月にホテルを退職してから、アルバイトでもいいから飲食業の経験を積んでおいた方がよいと考え、飲食店のキッチンで働きました。それと並行して週に数回シェアダインの出張シェフの仕事もしていました。それから1年くらい経つと、キッチンのアルバイトと出張シェフの割合が半々くらいになり、京都に来る前には出張シェフがメインとなっていました。

料理の道を選んだのは、ホテル業務より料理の方が楽しかったからです。当時は料理教室にも通って、基礎的な料理を学びつつ、家庭料理全般が作れるようになりました。

シェアダインの出張シェフはどうやって知ったのでしょうか

ネット検索で「フリーランス 料理人」「フリーランス 飲食」といったワードで調べたら、シェアダインが出てきました。私はもともと自分の好奇心にしたがい、やりたいと思ったらすぐ動くタイプなので、すぐに応募しました。

はじめはシェアダインの本社で説明を受けて、衛生管理などの講習を受けてから、実際にキッチンで料理を作るテストを受けました、その後は、先輩シェフの出張に付いていき、実際の仕事の流れを見させて頂きました。料理経験が浅い方は、出張シェフの具体的な感覚がつかめるので、1回でも先輩シェフに付いて行った方がいいと思います。

実際にシェアダインで仕事をされてみてどうでしたか?

実際にご自宅に一人で伺ったときは、とても緊張しましたね。他人のご家庭のキッチンに行ったことはなかったので。今のところ、私の作る料理で一番評判が良いのはハンバーグです。そういう意味では、前職のキッチンで作っていたスキルが役立っていると思います。

料理やメニューの研究として、インスタグラムでよく、一般の人が作ったメニューを見たりしていて、レシピ本などは良く買って読んだりしています。また、企業が運営している料理レシピサービスなども参考にはします。

作ったものが同じものばかりになると、マンネリ化してお客様にご提供できるメニューの幅も狭まるため、他の人が作ったレシピも参考にしながら、料理の幅を広げるようにしています。

出張シェフとして自信をもっていることはありますか?

家庭料理でお子様の偏食や”食べムラ”を改善することは、けっこう得意かと思います。保育園や幼稚園に通う年齢のお子様は、この前まで食べていた食材を急に食べなくなるといったこともあります。そこで、お子様の好き嫌いについて、お客様から事前にメッセージを頂くことを心がけています。

保護者の方とよく連絡をとりながら、「食材ではこれはやめて、これを使いましょう」などとご提案しています。新しいレシピをご用意して、お子様が喜ぶメニューを作るというパターンが多いです。

同じ料理でも「保育園では食べなかったけど、AKARIさんが作ったものは食べてくれた」と言って頂けると嬉しいですね。野菜が苦手なお子様についても、「野菜がお肉やお魚に入れてあったので食べられました」といった声を頂けることもあります。

お話を伺っていると、この道何十年といったベテランでなくても、出張シェフはできそうですね

ベテランの人が作れる料理と、私が作る料理とでは、そもそもジャンルが違っていると考えています。お客様のご意向を伺いながら、自分ができる料理をご提供することが、一番大事ではないでしょうか。

集客については、最初は自分から営業していく感じでしたが、何軒かお伺いしていくと、お客様からママ友さんを紹介して頂けるという形ができてきました。それから固定のお客様が増えていきました。

京都へ引っ越しするときに、2、3年くらいお付き合い頂いたお客様と、惜しまれながらお別れした時は悲しかったのですが、この仕事をやっていて良かったと嬉しくもなりました。

また、半年くらい通わせて頂いたご家庭ではお子様が私になついてくれて、料理の合間に遊んだり、目の前で自分の作った料理を食べてもらえたりして、家族の団らんを分けて頂いたような気持ちになりました。

今後の目標について教えてください

京都は東京と比べてシェアダインの認知度も低いため、自分が頑張ってシェアダインの認知度を高めつつ、定期のお客様も獲得しながら、今やっているプランをもうちょっとブラッシュアップしていきたいと思います。

今は家庭料理の作り置きプランがメインですが、誕生日など記念日向けのプランや、季節に合わせた期間限定のプランを作りたいと思います。今はインスタグラムもやっているので、そちらも見て頂けたら嬉しいです。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

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