25日の鷹との強化試合に一塁で出場2安打3打点の活躍 国際試合では様々なトラブルがつきもの。慣れない環境、普段とは違うメ…

25日の鷹との強化試合に一塁で出場…2安打3打点の活躍

 国際試合では様々なトラブルがつきもの。慣れない環境、普段とは違うメンバー、違う試合時間――。“リスクヘッジ”が重要になってくる。野球日本代表「侍ジャパン」での岡本和真内野手(巨人)の左翼構想もその一つだ。しかし、実戦を見ると、「ない」と断言できなさそうな現状も見える。

 25日に実施されたソフトバンクとの強化試合「カーネクスト侍ジャパンシリーズ2023 宮崎」(ひなたサンマリンスタジアム宮崎)で、打撃で最も存在感を見せたのが岡本だった。「7番・一塁」で先発出場し、4回1死満塁で右中間を割る2点適時二塁打。5回の第3打席でも、1死満塁で今度は左前へ適時打を放った。

 昨年11月の豪州との強化試合でも初戦で決勝打を放つなど、打撃でアピールし、念願かなって3月の「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」のメンバー入りを果たした。しかし、選出された内野陣を見ると決してレギュラーが確約されているわけではない。本職の三塁には昨季、日本選手最多の56号を放ち、史上最年少3冠王に輝いた村上宗隆(ヤクルト)が君臨し、指名打者は大谷翔平(エンゼルス)が濃厚。一塁にも昨年のパ・リーグ本塁打&打点の2冠王・山川穂高(西武)がいる。シートノックを見ると牧秀悟(DeNA)も一塁を守ることも多い。

 さらに、手薄なのが外野陣だ。今回、外野手登録で選ばれているのは、近藤健介、周東佑京(ともにソフトバンク)、鈴木誠也(カブス)、吉田正尚(レッドソックス)、ラーズ・ヌートバー(カージナルス)の5人。MLB組は3月6日からの「カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC 強化試合」(京セラドーム大阪)からしか出場できないため、キャンプ中は巨人から松原聖弥と重信慎之介、西武から西川愛也がサポートメンバーとして帯同している。この日、先発は松原のみだったが、6回からは外野が全てサポートメンバーになる珍事も起きていた。

26日には実戦起用の可能性も「不安にさせないように準備させるのが僕らの仕事」

 もちろん、サポートメンバーが外野全てを守るのは当初から予定の範囲内だったと思うが、例えMLB組が合流しても左翼構想がなくなることはなさそうだ。清水雅治外野守備・走塁コーチも「万が一」と言いながらも、左翼起用できるような準備は進めている。

「万が一ってことです。最悪選手が怪我してというところで。もともと内野手で巨人のキャプテンを張っている選手ですから、外野もやれって指示はできない。多く求めるものでもない」

 21、22日のシートノックでは実際に左翼守備にも就いた。栗山英樹監督も「本当に全く問題ないので、和真は幅のある選手なんだなということをみんなが確認できた」と太鼓判を押した。清水コーチは「しいて言うなら……」と課題は走者一、二塁でのカバーリングを挙げる。「ライト側に飛んだボールで三塁側へのカバーリングがどうしても遅れがち。万が一の時は守ってもらうかもしれない」と話す。

 では、合流したMLB組が打撃不振に陥るなどしたらどうするのか――。清水コーチは「それは監督と打撃コーチが決めること」としたが、日の丸のユニホームを着て結果を残し続けたら、簡単に外すのも難しいだろう。

 もちろん、慣れない守備が逆にリスクになることも重々承知だ。ましてや国際大会の大舞台、一発勝負の世界で、プレッシャーもかかる。しかし、清水コーチは「不安にさせないように準備させるのが僕らの仕事」と、26日にはチャンスがあれば実戦での左翼起用も示唆する。選手を信じ、周囲を驚かせる起用をこれまでもたくさん行ってきた栗山英樹監督。岡本の左翼構想も決して、ただのリスクヘッジだけではないような気がする。(川村虎大 / Kodai Kawamura)