プロも指導するトレーナーの木村匡宏氏「良い動きで問題を目立たなくする」 短所や課題は、どのように修正するのか。プロ野球選…
プロも指導するトレーナーの木村匡宏氏「良い動きで問題を目立たなくする」
短所や課題は、どのように修正するのか。プロ野球選手をはじめ、少年野球の子どもたちもサポートしているトレーナーの木村匡宏さんは、課題を解決するには理想の動きを繰り返す方法が有効になると話す。この考え方は、元ソフトバンクの名投手コーチとも共通している。
都内にある複合型スポーツ施設「MTX ACADEMY」でチーフディレクターを務める木村さんは、無駄なく力を発揮するトレーニングで選手をサポートしている。1軍で活躍する現役プロ野球選手からの信頼も厚く、成長期の小、中学生には将来を見据えた指導をしている。
施設には、短所や課題に対するアドバイスを求める選手も来る。ただ、木村さんは選手の動きを見て修正すべきポイントが分かっても、あえて課題を“放置”することがあるという。9日に開催された野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」会員向けのオンラインイベントで、こう明かした。
「問題行動が起きると、そこにフォーカスしがちですが、良い動きを増やして問題のある動きを目立たなくさせる方法があります」
課題を修正するためにフォームの一部を変えようとすると、結果的に全体のバランスを崩す可能性がある。木村さんは「同時に2つの動きはできません。良い動きを繰り返すと体は心地良いので、良い動きを選択するようになります。どれだけ良い刺激を体の中に入れられるかが大事です」と話す。
元鷹の投手コーチ倉野信次氏も長所を全面に伸ばす指導が基本
短所を考え過ぎない大切さを説く指導者は、木村さん以外にもいる。2021年までソフトバンクで投手コーチを13年間務め、今シーズンはレンジャーズ傘下マイナーのルーキーリーグ育成コーチに就任した倉野信次さんだ。プロ1年目の千賀滉大投手を指導するなど、若手投手の育成に定評がある。
倉野さんも課題の修正よりも、選手の長所を伸ばす指導を基本としていた。新人選手には、キャンプでもオープン戦でも課題を指摘しないという。シーズンが始まってしばらく経ち、選手が“壁”に直面して初めて課題を意識させる。
「指導者は選手の短所に目がいってしまいがちですが、すぐに指摘するのは逆効果です。長所が消えてしまいます。長所と短所を整理して、長所を全面的に伸ばす方法が指導の基本です」
目に見える短所は気になって、選手も指導者も直したくなる。しかし、部分的な修正でも全体に影響する。課題の解決に力を注ぐよりも、得意な動きや長所を伸ばして選手としての価値を高める方法もある。(First-Pitch編集部)