10日から沖縄・宮崎で初めてのキャンプ取材に挑戦 現役時代は日米球界で活躍し、昨季までロッテ監督を務めた井口資仁氏。今季…
10日から沖縄・宮崎で初めてのキャンプ取材に挑戦
現役時代は日米球界で活躍し、昨季までロッテ監督を務めた井口資仁氏。今季から野球評論家として活動する井口氏は、その第一歩として10日から沖縄と宮崎でキャンプ取材を行っている。新戦力が加わり、優勝に向けてチーム力を高める各球団の様子はどのように映ったのか。今回は目を惹いた球団や選手を語った他、期待の選手へ“愛ある檄”を飛ばした。
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27年ぶりにユニホームを着ない2月を過ごしています。評論家として臨む初めてのキャンプ取材は新鮮の一言。選手名鑑とにらめっこしながら各球団の予習に必死の毎日。日本ではダイエー(現ソフトバンク)、ロッテとパ・リーグしか知らない僕にとって、セ・リーグ球団のキャンプ地は少し落ち着かない感じもあり、なんだか不思議な感覚です。
10日に沖縄入りして以降、各球団の様子を見させてもらっていますが、練習方法であったり球場の雰囲気であったり、それぞれカラーがありますね。いい緊張感があったのは、新たに岡田彰布監督を迎えた阪神です。球場にピリッとした雰囲気が漂い、いいノックをしていました。今季は佐藤輝明を三塁、大山悠輔を一塁で起用するようですが、この2人が中軸に固定できれば手強い打線になりそうです。
リーグ2連覇中のヤクルトを止める存在となり得るのが、DeNAになりそうです。チーム力が頭一つ抜けているように感じました。そう感じたポイントは、投打の軸がしっかりしていること。投手陣は左腕の層が厚い。沖縄にはいませんでしたがエースの今永昇太を筆頭に、東(克樹)、石田(健大)、浜口(遥大)もいる。さらに、7回以降を任せられる救援も豊富に揃っています。
打線では、肘を手術したオースティンが開幕には間に合わないようですが、中軸を担うソトと牧秀悟は順調に仕上がっているようで、バットがよく振れていました。佐野恵太、宮崎敏郎も安定感のある打者。ここへ新加入した京田陽太がどうアピールするか。ランチ特打でいい汗を流していましたが、心機一転の活躍を期待したいですね。
WBC公式球も問題なし、順調仕上がりの佐々木朗希に太鼓判
パ・リーグでは、新庄剛志監督率いる日本ハムがいい雰囲気のキャンプを送っていました。「優勝は目指さない」とした昨シーズンから一変し、今季は「優勝だけを目指す」と話し、最初の50試合でのスタートダッシュを宣言。キャンプ初日から紅白戦を実施したことも、選手の意識を変えるのに大きな効果があったと思います。
僕も監督2年目だった2019年、キャンプイン当日に紅白戦をしたことがあります。勝てるチームを作る上で大切なのは、選手がそれぞれ勝利への執念とプロ意識を持つこと。しっかり自主トレをしてキャンプインには戦える体に仕上げていることはプロなら当たり前。紅白戦でチーム内に競争意識が生まれたことも良かったと思います。新庄監督も同じ狙いがあったのではないでしょうか。
昨季体重を絞ってキャリアハイの成績を残した清宮幸太郎は、この春もしっかりと自分のスイングでバットを振れているようです。なかなか破れなかった殻から、ついに抜け出した感じがしますね。ひょっとすると今季は30本塁打以上打つかもしれません。
ロッテは15日のヤクルトとの練習試合を見ました。(佐々木)朗希はWBCに向けてしっかり仕上げてきましたね。昨年11月の親善試合ではWBC公式球にまだ慣れていない様子でしたが、もう全く問題ないでしょう。ボールに指が掛かっていたし、思い通りに操れているようです。侍ジャパンではどんな役割を任されるのか分かりませんが、日本のために活躍してくれるはずです。
打線では山口航輝が頼もしく見えました。同じ楽天戦の第1打席、ファウルをした後にキッチリ捉えて左中間へホームラン。迷いなく自分のスイングができています。打者は来た球に反応することも大事ですが、まずは自分のスイングを固めることが大事。山口は自分の基礎となる形が見えてきているのでしょう。今年も期待していいと思います。
もう一頑張りしてほしいのが安田尚憲です。山口や清宮とは対照的に、まだバットを振らされている感じがある。自分のスイングが固まっていないため、どうしても軸がブレてしまいますし、迷いが出てしまいます。安田が秘める才能は非常に素晴らしいものがある。これは誰もが認めるところ。可能性を開花しきれていない歯がゆさがありますが、プロ6年目の今年、一皮むけるかどうかは彼次第。少し穏やかな部分があるので、練習でも試合でもガツガツと貪欲に進んでほしいと思います。
日本のキャンプ取材を終えたら、3月はメジャーのキャンプ取材に出掛けます。懐かしい顔にも会えそうで楽しみです。次回はメジャーのキャンプ事情をお届けします。(佐藤直子 / Naoko Sato)