■J1昇格候補は仙台、山形、町田、清水、磐田、岡山 2023年のJ2リーグ全体を見渡すと、J1昇格候補は、ベガルタ仙台…
■J1昇格候補は仙台、山形、町田、清水、磐田、岡山
2023年のJ2リーグ全体を見渡すと、J1昇格候補は、ベガルタ仙台、モンテディオ山形、FC町田ゼルビア、清水エスパルス、ジュビロ磐田、ファジアーノ岡山の6チームと予想する。
仙台は昨シーズン終盤から指揮を執る伊藤彰監督のもとで、スタッフ、選手ともに充実させた。各選手が額面どおりに働けば、確実に6位に以内に入ってくるだろう。ヴィッセル神戸から移籍したジュニアユース育ちのMF郷家友太が注目選手だ。
山形はCB山崎浩介(→サガン鳥栖)、右SB半田陸(ガンバ大阪)、MF上田康太(柏レイソル)、FWディサロ・燦・シルヴァーノ(清水に復帰)らを失ったが、CBに熊本雄太(←アビスパ福岡)と西村慧祐(←大宮アルディージャ)、サイドプレーヤーのイサカ・ゼイン(←川崎フロンターレ)と成瀬竣平(←名古屋グランパス)、FW後藤優介(←清水)らを補強した。
イサカは昨シーズンを横浜FCで過ごし、J1昇格に貢献した。パリ五輪世代の成瀬も昨シーズンは岡山へ期限付き移籍し、J2リーグ戦31試合に出場している。左SBとボランチなどに適応する小野雅史(←大宮)も、完全移籍で加わった。
ピーター・クラモフスキー監督のもとで21年は7位、22年は6位と、J1昇格を射程圏にとらえてきた。オーストラリア人指揮官の就任3シーズン目は、勝負の年となるだろう。
町田は大型補強で戦力を大幅にアップした。CBチャン・ミンギュ(←ジェフユナイテッド千葉)、カルロス・グティエレス(←栃木SC)、FWミッチェル・デューク(←岡山)、元横浜F・マリノスのFWエリキら、J1とJ2のクラブから即戦力を大量に獲得した。青森山田高校からJリーグへ戦いの舞台を移した黒田剛監督が、元サガン鳥栖監督の金明輝ヘッドコーチらとともにチームをまとめ上げられるかがポイントだろう。
7年ぶりにJ2を戦う清水は、GK権田修一、MF松岡大起、FWチアゴ・サンタナの残留が大きい。2節で岡山、4節で大分、5節で磐田と、開幕早々に昇格候補との直接対決が待ち受けており、ここで勢いに乗れるか。乾貴士の負傷離脱は気になる。
磐田はFIFAから補強禁止処分を受けたが、MF遠藤保仁、山田大記ら主力選手の引き留めに成功している。浦和レッズから期限付き移籍していたFW杉本健勇は、完全移籍となった。さらに栃木で3バックの一角を担ったパリ五輪世代のCB鈴木海音、J3のギラヴァンツ北九州で経験を積んだMF藤川虎太朗と針谷岳晃、FC琉球からDF中川創らをレンタルバックさせた。戦力に不足はない。あとは、横内昭展新監督がどのようにマネジメントするか。
昨シーズン3位の岡山は、左SB徳元悠平(→FC東京)、FWミッチェル・デュークらがチームを離れたが、左サイドを担う人材として横浜FCからDF高木友也、水戸ホーリーホックからMF鈴木喜丈を迎えている。新たな得点源としては、千葉から大型FW櫻川ソロモンを期限付きで呼び寄せた。
開幕節でいきなり磐田と激突する。翌節は清水とのホームゲームだ。J1昇格争いのライバルとの連戦から、今シーズンの岡山の力が見えてくるだろう。
■徳島、長崎、大分にもJ1昇格のチャンスが
J1昇格争いの第2グループとして、徳島ヴォルティス、V・ファーレン長崎、大分トリニータの3チームをあげたい。
ベニャート・ラバイン新監督を迎えた徳島は、戦術の浸透と得点源の登場がカギを握る。昨シーズンチームトップの10得点を記録したFW藤尾翔太(→セレッソ大阪)、同7得点の一美和成(←京都サンガF.C.)が抜けた穴を、FW柿谷曜一朗(←セレッソ大阪)らが埋められるか。
大分は昨シーズンチーム2位の8得点をあげた呉屋が、千葉へ新天地を求めた。DF三竿雄斗(→京都サンガF.C.)、小出悠太(→仙台)、MF下田北斗(→町田)らの主軸も移籍した。それでもなお保有戦力は厚く、プレーオフ圏に食い込む力は十分にある。
長崎はフアンマ・デルガドがJ1のアビスパ福岡から5シーズンぶりに復帰し、攻撃陣が充実した。昨シーズン54失点の守備の整備が課題になる。24年の新スタジアム元年をJ1で迎えるためにも、2度目の昇格を勝ち取るとのモチベーションは高い。
開幕節のカードを見ると、甲府対山形、磐田対岡山、町田対仙台、徳島対大分と、J1昇格候補の直接対決が組まれている。昇格組のいわきFC対藤枝MYFCの対戦も注目を呼びそうだ。
「22分の3」を巡る争いは、11月12日まで続く。