(C)Getty Images プロボクシングのWBC(世界ボクシング評議会)は2月16日、最新の世界ランキングを発表し、前4団体世界バンタム級統一王者の井上尚弥(29=大橋)をスーパーバンタム級1位に選出した。【関連記事】井上尚弥…

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 プロボクシングのWBC(世界ボクシング評議会)は2月16日、最新の世界ランキングを発表し、前4団体世界バンタム級統一王者の井上尚弥(29=大橋)をスーパーバンタム級1位に選出した。

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 昨年12月に、アジア人史上初となる4団体統一を果たした井上。バンタム級で文字通り敵なしの強さを誇った29歳に対する注目度は高まり続けている。今春には現WBC・WBO世界スーパーバンタム級統一王者のスティーブン・フルトンとの対戦が決定的とされており、この試合に勝てばいきなり2本のベルトを手に入れるというわけだ。

 そんな井上が「第二の師匠」と慕うロンドン五輪ボクシング・フライ級日本代表の須佐勝明氏は、フルトンについて「典型的なアウトボクサーです」と語り、続けて「自分だけパンチを当てて、動いてパンチを当てさせない。足を使ってフォーカスさせない選手。相手に打たせないディフェンスに一番重きを置いたボクサーです」と特長を述べた。

 では、井上はフルトンをどう攻略すればいいのか。

 同氏はフルトンの”弱点”について「接近戦はあんまり上手くないですね」とし、さらに「遠距離は凄くピカイチだと思いますし、井上選手に対しても、いい駆け引きはすると思います。ただ、やっぱり井上選手が前へ出て、壁みたいな感じで迫ってくるので、相手とすれば恐怖です。そこでスタミナに不安があるフルトン選手が疲れて接近戦になると、井上選手が圧倒するでしょう。井上選手は的確にパンチを当てる能力に長けていますので、そこでKOできるんじゃないかなと思います」と井上の優位性を強調した。

 これまで24戦24勝21KOという驚異的な結果を残してきたモンスターに死角は見当たらない。階級を上げた新たな挑戦の舞台でも、その強さを存分に見せつけてくれるだろう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

【解説】須佐勝明(すさ・かつあき)

1984年、福島県生まれ。会津工業高校から東洋大学へ。2012年、自衛隊体育学校所属時にロンドン五輪に出場。ロンドン五輪ミドル級金メダリストの村田諒太は東洋大学の1学年後輩にあたる。株式会社AYUA代表取締役。日本ボクシング連盟理事。アジアコーチ委員会委員長。共同通信社ボクシング評論担当。会津若松市観光大使。ほか。

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