大阪桐蔭で主将を務め、「ミノルマン」の愛称でYouTuberとしても活躍する廣畑実さん 打撃理論を突き詰め、生まれた野球…

大阪桐蔭で主将を務め、「ミノルマン」の愛称でYouTuberとしても活躍する廣畑実さん

 打撃理論を突き詰め、生まれた野球ギアが注目を集めている。バットのヘッドスピードを上げる「ヘッドランバット」と、ミート力を上げる「ゲットラインバット」を開発したのが、大阪桐蔭高野球部で主将を務め、現在は「ミノルマン」の愛称でYouTuberとしても活躍している廣畑実さん。今回は発売と同時に即完売になった“魔法のバット”の魅力に迫った。

 2021年9月に発売したヘッドランバット。95センチ900グラムの大人用、90センチ700グラムの子ども用の2種類がある。重心がヘッド部分に寄っており、通常のバットに比べ重みを感じられるようになっている。ヘッドが重い分、手が反る動きが起きやすくなり、ヘッドが落ちている状態でスイングする感覚が得られるという。

 廣畑さん自身も、バッティングが変わった瞬間について「ヘッドが走る感覚を覚えてから」と明言。「飛距離も率も上がり、打席の中で余裕も持てた。泳がされても前で捌くことができるようになった」と振り返る。腕で振るのではなく、ヘッドの重みを使ってスイングすることで、ヘッドが走り飛距離が生まれ、体の小さい小学生でも“打球が飛ぶ”打撃フォームを自然と習得できる。

 近年は投手のレベルが格段に上がり野球界は「投高打低」と言われている。「小学生だから身長が低いから『ゴロを打て』『バットを短く持て』というのは違うと思う。バッティングの正解はホームランを打てる形。5年、10年後を考えれば絶対に身につけておいた方がいい」と力説する。使用した選手の中にはヘッドスピードが7キロアップした報告もあったという。

ヘッドスピード強化のヘッドランバット、ミート力強化のゲットラインバット

 アマチュア、プロ野球選手にも好評で、発売当初は約20分で完売する盛況ぶりだった。さらに、昨年12月にはミート力を上げる「ゲットラインバット」を開発。先端部分が羽子板を連想させる奇抜な形で、ヘッドランに比べ重心はグリップ側にあるのが特徴だ。

「芯で打つ感覚を養う。グリップが先に出るイメージ。最終的に手首は勝手に返るので、なるべく返さず、ボールに対して面を向けてスイングすることで、押し込む感じが分かります」

 廣畑さんは、自身が経営する野球塾「Amazing」で、卓越した打撃理論を基に多くの生徒の成長を手助けしてきた。野球ギアを作るきっかけとなったのは、自ら指導できない少年・少女たちへの思いから。「これを使えば間違いないというギアを作りたかった。野球をしたことのない保護者は子どもに、どう教えたら分からない。そこを解消したい」と力を込める。

 “打撃改善特化ギア”として2本のバットを開発してきたが、今後は「一番振りやすいバット」と、グリップにこだわった木製バット「ウルティムス(最強)」も発売予定。素材は北米産のメイプルで「長年熟成させた、寒い地域で育った木しか使わない」と、こだわりを見せ、木製バット業界に参入する。

 プロ野球の経験はなくとも、野球人から多くの支持を集める廣畑さん。全国に足を運び吸収した、誰にも負けない技術論を生かし、野球ギア開発にも力を注いでいく。(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)