冬季全国高校総体(インターハイ)の第72回全国高校スキー大会(全国高体連など主催、読売新聞社共催)は8日、山形県で競技が始まり、ジャンプ男子で3連覇を狙った東海大札幌の中村正幹選手は3位となった。 「プレッシャーをかけてやる」。滑走順で自…

 冬季全国高校総体(インターハイ)の第72回全国高校スキー大会(全国高体連など主催、読売新聞社共催)は8日、山形県で競技が始まり、ジャンプ男子で3連覇を狙った東海大札幌の中村正幹選手は3位となった。

 「プレッシャーをかけてやる」。滑走順で自らの後に控えるライバルの存在を強く意識して臨んだ1本目は、無残にも強い追い風にあおられた。直後にライバルが大ジャンプで会場を沸かせ、東海大札幌3年・中村正幹選手は思わず、「ああ……」と声をもらした。

 佐藤幸椰選手(雪印メグミルク)以来2人目となる、総体3連覇を目指して挑んだ今大会。周りから「3連覇を阻止したい」との声が聞こえてきたが、重圧にはならなかった。超えるべき相手は、今月の世界ジュニア選手権で日本人最高の12位に入った下川商2年・坂野旭飛選手と、明確だったからだ。

 逆転をかけた2本目は、力みから踏みきりでミスが出た。坂野選手が再び大ジャンプを決め優勝の可能性がなくなると、足早に控室へと引き揚げた。

 大会3連覇という大きな夢はついえたが、リベンジの機会は残されている。「来年の世界ジュニア選手権までにジャンプを作り直して、世界のトップになる」。無念の敗戦を糧に、世界を見据えた飛躍を誓う。(野田快)