リーダーの強い「言葉の力」がチームを動かす。プロ野球のキャンプが開幕し、阪神・岡田彰布監督(65)が優勝の隠語「アレ」…
リーダーの強い「言葉の力」がチームを動かす。プロ野球のキャンプが開幕し、阪神・岡田彰布監督(65)が優勝の隠語「アレ」を初日あいさつで9度も連呼し、話題をさらった。選手では、中日の新選手会長に就任した柳裕也投手(28)の発言が注目されている。
「この弱いドラゴンズをもう終わりにしよう。応援してくださるたくさんのファンの方のためにも、自分たちでやってやろう」
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キャンプイン前日に行われた全体ミーティングでマイクを握り、チームを鼓舞した柳。昨年のキャプテン高橋周平(28)や、最多安打の岡林勇希(20)、侍ジャパンに選出された剛腕、高橋宏斗(20)ら中堅・若手選手の名を次々と挙げ「チームを引っ張っていかないといけない」と熱い言葉で力強く訴えたという。
中日は落合博満監督退任後、長期低迷が続く。昨年は最下位。3位以上が進出するCSから10年も遠ざかっている(3位の20年はコロナ禍でCS中止)。柳が発した「弱いドラゴンズ」というパワーワードは選手たちの心を動かし、キャンプでは例年以上に目の色を変えて取り組む姿が目立っている。
柳のリーダーシップはアマ時代から評価が高い。明大では投手ながらキャプテンを務め、日本一に。大学日本代表のキャプテンとしても日米大学選手権優勝に導いた。「会話を大事に」がモットーで、積極的にコミュニケーションをとって選手同士の距離を縮め、言葉に出して方向性を1つにしてきた。
柳自身も言葉に支えられてきた。野球をはじめた小学生の時、試合で負けて泣いていると、父博美さんから「お父さんにも悔しいことはいっぱいある。でも男はどんなにつらくても泣いちゃダメだ。お母さんが心配するだろう。男同士の約束だ」と言われた。
以来、何があっても泣かないと誓った柳。小学6年のとき、博美さんが交通事故で突然、亡くなった。葬儀で、泣き崩れる母に代わって、喪主のあいさつをしたのが柳少年だった。
「お父さん、僕はプロ野球選手になります。そして、お母さんと妹を守ります。だから、安心してください」
約束通り、人前で涙を見せずに夢を語った柳。その思いを原動力に、プロ入りを実現させた。中日には16年ドラフト1位入団。21年には防御率と奪三振のタイトルを獲得し、主力選手としてチームをまとめる立場になった。
今年は、横浜高校の先輩にあたるプロ通算154勝の涌井秀章(36)がトレードで加入した。涌井は柳について「沖縄入りしてご飯に一緒に行ったけど、その時も『勝ちたい、勝ちたい』とずっと言っていた。すごい熱い人だなと思って見ていた」。キャンプでは年長の涌井をあえて人前でイジり、チームに溶け込ませようとする柳がいる。
コミュニケーション能力、リーダーシップ、内に秘めた強さ。何より、言葉で思いを伝えられる新選手会長が「弱いドラゴンズ」再建のキーマンになる。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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