2月3日の午前練習終了後。いつまでも居残り練習を続ける選手たちを見て鬼木達監督が苦笑いする。「せっかく早く終わらせたの…

 2月3日の午前練習終了後。いつまでも居残り練習を続ける選手たちを見て鬼木達監督が苦笑いする。

「せっかく早く終わらせたのに、みんな居残りするんですよ(笑)」

 ピッチ上では選手たちが思い思いに練習に取り組んでいた。戻ってきた沖縄らしい強い日差しとひんやりとした風の組み合わせが清々しくて、時間を忘れて体を動かしたくなる気持ちがわかる気がした。

 川崎フロンターレが沖縄で続けてきた二次合宿は2月3日の午前練習で11日目までを終えた。翌4日が二次合宿最終日で、サガン鳥栖との練習試合が予定されている。3日の午後練習を取り消していた鬼木監督にしてみれば、午前練習中に戦術とセットプレーを確認して準備を終わらせ、体を休ませる時間を作ったつもりだったはず。ところが、そんな鬼木監督の思いを知ってか知らずか、若手選手はいつまでも体を動かした。

 自陣に戻りながらクロスを跳ね返す守備陣。シュート練習を続ける攻撃陣。止める蹴るに取り組む選手の姿もある。メニューを入れ替え休憩を入れながら1時間以上も続いていた自主練習の中、気がつけば一人でステップワークに取り組んでいる選手の姿が見られた。それが高井幸大だった。

■目標は「無意識レベルでできるように」

 高井は、ラダーと呼ばれるハシゴのような形状をした器具の枠の中に足を規則正しく入れる、ステップワークを練習していた。足をどう動かすのかに慣れてしまえば問題ないのだろうが、高井のステップはたどたどしかった。自主練習が終わったあと、取材に応じた高井は、プレー中の一歩目を速くしたいと考えての練習だと説明する。

「一歩目があまり速く出ないので。その後は別に出るんですけど、一歩目がちょっと遅いので、そこを早くしたいというのでやっています」

 目標は「無意識レベルでできるように」なることで、ステップワーク自体は「今年やっていこうって決めた」ことだという。たどたどしいステップではあったが、練習することで確実に上達するものでもある。高井のステップワークがどう変化していくのか、楽しみにしたい。

【江藤高志】
えとう・たかし/大分県中津市出身。IT系出版社で雑誌や書籍などを編集していた1999年に、パラグアイで行われたコパ・アメリカを観戦。これを機にサッカーライターに転身した。当初は故郷のJ2クラブ、大分トリニータを取材。石崎信弘監督との縁もあり、2001年途中から川崎フロンターレの取材を開始した。15年から『川崎フットボールアディクト』を創刊し、編集長として運営。今に至る。

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