5日に東京競馬場で行われる東京新聞杯(GIII、芝1600m)の「血統傾向」を分析する。2018年以降の東京新聞杯で3着…

5日に東京競馬場で行われる東京新聞杯(GIII、芝1600m)の「血統傾向」を分析する。

2018年以降の東京新聞杯で3着内に入った種牡馬データを集計した下記の血統表をもとに推奨馬2頭を紹介する。ここでは、そのうち1頭を紹介する。

◆【東京新聞杯2023予想/血統傾向】単勝回収値「520」の条件に合致 想定“10人気”以上が再び波乱の使者に

種牡馬成績をみていくと、サンデー系種牡馬が4勝を挙げる活躍を見せていることがわかる。しかしトップ種牡馬ディープインパクト産駒は【1.2.1.16】、勝率5.0%、複勝率20.0%、単回収値39と低調。2015年はヴァンセンヌ、16年はスマートレイアーが勝利し連覇するなど、14年から20年まで7年連続で連対する活躍ぶりだったが、近2年は掲示板に入るのがやっとの成績。完全に勢いをなくしており、今年出走予定のファルコニアにとっては厳しい傾向と言えるだろう。

同様にノーザンダンサー系の種牡馬も【0.0.0.9】と不振。一昨年の2番人気・トリプルエースが7着に敗退したように上位人気馬の敗退もあって、上位人気馬だからと言って信頼するのは危険と言えるだろう。

今年も、1番人気濃厚のナミュール(ハービンジャー産駒)や前走の京都金杯で3着に入ったプレサージュリフト(ハービンジャー産駒)などが出走を予定しているが、今回は評価を下げたいところだ。

そんな中、近年台頭しているのが、ハーツクライ産駒で【2.2.1.2】、勝率28.6%、複勝率71.4%、単回収値154、複回収値241と抜群の成績を挙げている。東京マイルは器用さのいらないワンターンのコースで、ハーツクライ産駒の特徴である父サンデー譲りの瞬発力と母父トニービンから受け継いだスピードの持続力を生かしやすい点が好走理由のひとつだろう。

今回は母父にハーツクライの血を持つこの馬に注目する。

■インダストリア

父はデビューから2戦目でのGI・朝日杯FSを勝ったリオンディーズ。母父は2005年の有馬記念、06年のドバイシーマCと国内外でGI2勝したハーツクライ。半兄に2021年のマイラーズC勝ちなど重賞3勝を挙げたケイデンスコールや叔父に17年の目黒記念を勝つなど重賞6勝を挙げたフェイムゲームがいる良血馬。

インダストリアは弥生賞ディープインパクト記念とNHKマイルCでともに5着に入るなど早くから頭角を現し、安定して重賞戦線を歩んできたものの、なかなか勝ち切れないレースが続いていた。そんな中、爪の不安もあり半年間の休養を挟んだ前走のカウントダウンSでは、後方追走から、直線では馬群の間から一気に抜け出し1馬身差をつけて勝利。前残りの展開を直線一気で差し切る着差以上に強い内容であり、マイル路線の主役となれる素質は十分ありそう。

また、2018年以降、父キングマンボ系×母父ハーツクライの牡馬は、芝のレースで34勝しているが、そのうちの12勝をマイル戦で挙げており、その成績は【12.3.4.43】、勝率19.4%、複勝率30.6%、単回収値178と回収率も高くアタマで狙うには妙味十分だ。

なかでも昇級戦に限ると【4.0.1.1】、勝率66.7%、複勝率83.3%、単回収値256とサンプルは少ないものの非常に高い勝率と回収率を誇っている。今回が昇級戦になるが、ダービー馬・ドウデュースや菊花賞馬・アスクビクターモア、3歳でマイルCSを制したセリフォスなどハイレベルな同世代と戦ってきたことを考えると力は十分通用するだろう。4歳初戦のここを勝ってさらなる大舞台を目指してほしい素質馬だ。

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文●中井達也(SPREAD編集部)