選抜決定の翌日、「知的障害児の甲子園夢プロジェクト」の一環で合同練習会 第95回選抜高校野球大会に5年ぶり10回目の出場…

選抜決定の翌日、「知的障害児の甲子園夢プロジェクト」の一環で合同練習会

 第95回選抜高校野球大会に5年ぶり10回目の出場を決めた慶応高(神奈川)が28日、横浜市の慶応義塾日吉台野球場で、「知的障がい児の甲子園夢プロジェクト」の一環として、野球好きの特別支援学校生ら27人と合同練習会を行った。西武、巨人などで活躍した清原和博氏の次男・勝児内野手(1年)も、もちろん参加。充実のひとときを過ごした。

 同プロジェクトは、「知的障がいを抱える特別支援学校生にも、普通の高校生と同じように、野球ができる環境をつくる」ことを目標に発足。慶応高では森林貴彦監督がその趣旨に賛同し、合同練習会は昨年の3月、6月に次いで3度目に及ぶ。前日に選抜出場が決まったばかりの慶応高ナインは、もっぱらコーチ役を務めた。

 練習会中盤には、清原と延末藍太内野手(2年)が、プロジェクトメンバーきっての速球派右腕である村田敦投手(京都市立白河総合支援学校卒、製薬会社勤務)と3打席ずつ対決。清原は2打席連続で安打性の当たりを飛ばした後、内野ゴロに倒れると、周囲に促されて「もう1打席お願いします」と“土下座パフォーマンス”を繰り出し、爆笑を誘った。「打てなかったので。(村田投手は)速かったです」と清原。こうして勝ち取った4打席目も、変化球にタイミングが合わず内野ゴロに終わった。

「教える難しさがわかりました」と監督に感謝

 打撃練習では“名コーチ”ぶりを披露した。清原から指導を受けた愛知・大府市立大府中(特別支援学級)2年の日高晴登くんが快打を連発。「センター返し、センター返し」と声をかけていた清原が「よしゃ!」と歓声を上げるシーンもあった。日高くんは「これまではすり足で打っていましたが、清原さんに足の上げ方を教わり、1、2、3のタイミングで振ったら、打てるようになりました」と感謝。清原は「自分はタイミングが大事だと思っているので、それを伝えました。打てたのは日高くんの実力だと思いますが、『教えてもらったから打てた』と言ってもらえて、うれしかったです」と口元を綻ばせた。

「自分はいつも森林さん(慶応高ナインは伝統的に、監督を“さん”付けで呼んでいる)に教えていただいていますが、きょうは改めて教える難しさがわかりました。森林さんに感謝したいです」と話した清原は、いたずらっぽく森林監督の方へチラリと視線を送り、報道陣を笑わせたのだった。

 前日の帰宅途中、父の和博氏から電話で「おめでとう。精一杯がんばれ」と選抜出場決定を祝福されたと言う。チームのムードメーカーとされるだけあって、プロジェクトメンバーやチームメートと盛んに言葉を交わし、笑顔が絶えなかった。立ち居振る舞いに華があるのは、父譲りのスター性と言えようか。昨秋の関東大会では背番号5を付けてサードを守り、打順は6~7番。甲子園では異常な注目度に悩まされることがあるかもしれないが、持ち前の明るさと、気の置けない仲間たちと結束で乗り越えてほしい。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)