お化けフォーク武器に前回大会では世界を震撼させた ソフトバンクからメッツに移籍した千賀滉大投手が3月に行われるWBCに不…
“お化けフォーク”武器に前回大会では世界を震撼させた
ソフトバンクからメッツに移籍した千賀滉大投手が3月に行われるWBCに不参加となることが明らかになった。アメリカラウンドからの参戦も模索されるなど出場の可能性をギリギリまで探っていたが、最終的には栗山英樹監督が招集しないことを決めた。
NPBでも屈指の能力を誇り、前回大会でも世界を震撼させた千賀。その実力は申し分なく、関係者によると栗山監督は昨シーズン中から千賀とコンタクトを取り、意志を確認していた。先発だけでなく、中継ぎとしても投げることができ、“お化けフォーク”を武器とした三振奪取能力は短期決戦でも威力を発揮する。指揮官も構想の中に千賀を入れていた。
千賀自身も出場を熱望し、栗山監督に意向を伝えていた。にも関わらず、なぜWBC参戦が実現しなかったのか。
このオフ、千賀はメジャーリーグのメッツへ移籍。長年の夢であった米球界挑戦を現実のものにした。今年はメジャー1年目。オフ期間はトレーニングと並行して渡米の準備を進める必要があり、シーズンの開幕までに、NPBに比べて滑りやすいとされるボールやマウンドの傾斜、角度などさまざまな環境面に慣れる必要がある。
野手に比べて適応が難しい投手のメジャーリーグ挑戦1年目
指揮官は当初、メジャー挑戦1年目の選手をWBCに招集しない考えを持っていた。レッドソックスへの移籍が決まった吉田正尚外野手もその1人。ただ、選手個人の“日本のために戦いたい”という意志を受けて可能性を模索し、野手は招集することに。ただ、投手の適応の難しさは野手に比べても難しいもの。そこが栗山監督の中でも最後まで引っかかっていたという。
投手のメジャー挑戦1年目の難しさを栗山監督は理解している。日ハム監督時代には大谷翔平投手、有原航平投手らをメジャーリーグに送り出した。その愛弟子たちが環境に適応するのに苦労していたのを目の当たりにした。これからそうした苦労が待ち受ける千賀をWBCに招集していいものか。指揮官は思案し続けた。
3月のWBCに向けて調整のペースを早まれば、故障のリスクも高まる。またスプリングトレーニングの期間にチームを離れて大会に臨むことで、適応に影響は出ないか。千賀のメジャー1年目、そして右腕の未来を最優先に考えた末に、選手の自主トレのペースが上がってくる1月半ば、栗山監督は苦渋の決断を下したのだった。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)