2年連続選抜の大阪桐蔭、エース前田悠伍は「平均球速を上げたい」 第95回選抜高校野球大会(3月18日開幕、甲子園)で連覇…

2年連続選抜の大阪桐蔭、エース前田悠伍は「平均球速を上げたい」

 第95回選抜高校野球大会(3月18日開幕、甲子園)で連覇を目指す大阪桐蔭の大黒柱は、エースで主将の前田悠伍投手(2年)だ。1年時から活躍するMAX148キロ左腕はプロ注目の逸材だが、本人もきっちり先をにらんでいる。「平均球速を上げたい。夏までに140キロ台後半はコンスタントに出せるようにしたい」。より高いレベルを目指しているからで、1球だけのMAXは意味がないとの考え方だ。

 昨年夏の甲子園準々決勝で、下関国際に敗れた悔しさを前田は忘れていない。「ああいう思いは2度としたくない。甲子園の借りは甲子園でしか返せないと思っている」。主将としてチームを引っ張る立場にもなり「自分は前のチームから(試合に)出してもらっているので、そういう責任感はもちろんあります。相手は大阪桐蔭を倒すって気持ちで来ると思うので、それ以上に負けない気持ちで臨みたい」ときっぱりだ。

 もちろん、目指すは頂点だが、同時に前田は1年後のプロ入りを意識して、自身のレベルアップを誓っている。そのひとつが、ストレートの平均球速のアップだ。「150キロ以上を投げたいと思っていますが、それ以上にキレであったり、伸びであったりを意識しています。150キロを投げられてもそれが1球だけで、アベレージが140前半だったら、MAXと差があるので……」。そんな頭の中にある目標数値が「平均球速140キロ後半」なのだ。

 それが簡単ではないことは前田自身もよくわかっている。だからこそ、ゴール時期を「夏までに」と設定。「まだできるかどうかっていうのはわからないですけど、自分の努力次第で変わると思う」と話し、そこへ向かって動いている。「まずは体が強くならないと球も速くならないと思う。この冬はジャンプ系のトレーニングを多く取り入れています。下から上半身、指先に伝えていったら、自然と球速とかも上がってくると思うので……」。体重アップもそう。こちらは「82キロくらいで選抜に」としっかり計算している。

故障明けの神宮大会で161球の熱投「ひとつ成長できた」

 実は故障も乗り越えていた。昨秋の大阪大会で右脇腹を痛めていたのだ。「少し投げない期間を作って、体を治すことに専念して、何とか治した」という。そんな状況で近畿大会、神宮大会も勝ち抜いた。5-4で制した神宮大会の準決勝・仙台育英戦では161球を投げた。「あれだけの球数を投げたのも初めてだったし、あれだけ思い通りにいかなかったのも初めてだったので、そういった中で何とか勝てた。あの試合で自分もひとつ成長できたと思います」。

 西谷浩一監督も前田を「フィールディングもそうですし、牽制もそうですし、バッターとの駆け引き、メンタルな部分、真っ直ぐ、変化球、いろんな精度とか、ピッチャーとしての総合力が高い子」と絶賛するばかりだ。

 大阪桐蔭には秋の神宮大会、春の甲子園、夏の甲子園、秋の国体、すべて制覇という期待もかかるが、前田はその点でも「秋、春、夏制覇を目標にするのはいいですけど、意識しすぎると目の前の試合がおろそかになってしまうので、まずは1試合、1試合。それが結果的につながっていけばいいと思う」と落ち着いて前を見据える。

「自分をアピールできるのが甲子園と思うので、チームを勝たせるピッチングをしたい」。着実に上がるレベルアップの階段。プロのスカウトをさらにうならせる前田の投球が楽しみだ。(山口真司 / Shinji Yamaguchi)