昨季の投手力“劇的改善”は「3球カウント構成率」詰めたおかげ 一昨年の最下位から昨年は2位に躍進し、今年狙うのは1998…
昨季の投手力“劇的改善”は「3球カウント構成率」詰めたおかげ
一昨年の最下位から昨年は2位に躍進し、今年狙うのは1998年以来25年ぶりのリーグ優勝以外にないDeNA。23日には横浜市内のホテルに三浦大輔監督、仁志敏久ファーム監督、南場智子オーナー、チーム統括本部の萩原龍大本部長らが集結してスタッフミーティングを開き、走攻守にわたって今シーズンの具体的な目標を設定した。ベイスターズはまぎれもなく“本気”だ。
DeNAはいまや、12球団で最もリーグ優勝から遠ざかっている。南場オーナーは「今年は高いてっぺんに挑戦したい年。(現場と)同じ意気込みを共有しています」とキッパリ。スタッフミーティング開催前に発表された今年のチームスローガンも「横浜頂戦」で、「頂」の文字が含まれたところに決意のほどがうかがえる。
チームは昨年、一定の成長を見せただけに、今年の目標はより具体的だ。三浦監督は終了後の会見で、黒革の表紙の手帳を広げて確認しながら、「今年、投手は“3球カウント構成率”、野手は出塁率、走塁面では“UBR”を意識していこうという話をしました」と明言した。
まず3球カウント構成率とは簡単に言えば、投手が3球目までに2ストライクを取り、有利なカウントをつくれる確率だそうだ。DeNA首脳陣は昨年のキャンプで投手陣に「ストライクゾーン内で勝負する」ことを強く求め、試合では「80%の確率で投手有利のカウントをつくること」を目標に掲げた。その結果、チーム防御率は一昨年の4.15(リーグワースト)から昨年3.48(同3位)へ劇的に改善。与四球が一昨年の年間461個から昨年408個へ激減したことが、要因の1つだった。今年はさらに一歩進め、「3球目までにいかにストライクを先行するか。相手打者を早く追い込むように、キャンプから意識して取り組んでもらいます」と三浦監督は言う。
昨年はピッチングの大前提として、キャンプ第1クールでは全投手のブルペン投球をストレートに限定した。今年も方針自体は変わらない。ただし、昨年のキャンプでは最初の休日が2月5日だったのに対し、今年は6日にずれ込むとあって指揮官は「第1クールが“5勤”の変則的な日程で、ずっとストレートだけというわけにいかないので、『キャンプイン後2回目までのブルペンはストレートのみ』としました」と明かす。
攻撃改革をさらに…「今年は1つ先の塁は当たり前、2つ先を狙う」
チームの出塁率については「数字的には.320以上、リーグトップを目指す」と三浦監督。「出塁にはヒットを打つこともそうだが、四球も死球も含まれる。選手はそれぞれタイプが違う。各々どうすれば塁に出られるかを意識してもらう」とうなずいた。昨年のチーム出塁率はリーグ4位の.308で、トップはヤクルトの.318だった。
さらにUBR(アルティメット・ベースランニング)は、盗塁以外の「走塁」でチームに何得点相当の貢献をしたかを表すセイバーメトリクスの指標で、昨年はリーグ4位の5.4だった。「昨年は常に1つ先の塁を狙うことを意識して取り組み、成果が出た。今年は1つ先の塁は当たり前。2つ先を目指そうということで取り組んでもらいます」。
昨年はOBの石井琢朗氏を野手総合コーチ(現チーフ打撃コーチ)に迎え、一発頼みから“つなぐ攻撃”へ舵を切った。実際、チームの盗塁数は一昨年の31(リーグワースト)から昨年は49(同5位)へ、犠打数も一昨年の81(同5位)から昨年102(同4位)へ増え、進塁打も巧みになった。「勝つためにチーム打撃は絶対必要で、各選手がそういう意識を持てるようになってきた。今年は昨年の方針を変えるのではなく、上乗せして次の段階に入るということです」と三浦監督は自信もうかがわせる。
各コーチが昨年の課題を挙げ、それに沿ってアナリスト(データ収集・分析担当)陣が設定したのが、この目標値である。漠然とした意欲だけではない。今年のベイスターズは理論的に着々と、四半期ぶりの優勝に近づいている。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)