韓国メディア「MKスポーツ」がオ・スンファンの現状伝える かつて阪神でクローザーとして活躍したオ・スンファン投手が、今オ…

韓国メディア「MKスポーツ」がオ・スンファンの現状伝える

 かつて阪神でクローザーとして活躍したオ・スンファン投手が、今オフ大きな話題となっている。昨季チームがプレーオフ進出を逃すなど低迷したことを理由に、年俸を球団へ“白紙委任”したのだ。新たな年俸は昨季の16億ウォン(約1億7000万円)からダウンとなる14億ウォン(約1億4800万円)に決まったものの、韓国メディア「MKスポーツ」は「オ・スンファンは本当に終わったのか、それとも生きているのか」と題し「今季が試験台」となる厳しい立場を伝えている。

 記事は「意見は大きく分かれている」としている。今季41歳を迎えるオ・スンファンは、いまだ古巣サムスンで抑えとして投げている。「技量は疑うのが不可能な水準だ。しかしもう、満年齢でも40代。エイジングカーブを懸念しなくてはならない状況だ」と、加齢による衰えを不安視している。1982年7月15日生まれで、今季中に41歳を迎える。

 昨季のオ・スンファンは57試合に投げ6勝2敗31セーブ、防御率3.32。セーブ数はリーグ4位だ。ただ2021年に0勝2敗44セーブ、防御率2.03を記録し、韓国では9年ぶりとなる最多セーブに輝いた当時よりは数字を落としている。

 記事は投球の中身の変化にも触れている。昨季直球の平均球速は144.7キロで、2021年の145.7キロから1キロ落ちているという。被打率も.274で、一昨年の.261より上がった。これを「明らかに危険信号」とする記事は、「オ・スンファン最大の武器は『石直球』と呼ばれる速球だ。しかし年をとり、相手を圧倒するのは難しくなっているのが事実だ」と指摘している。

代名詞の「石直球」は弱っても…制球力で勝負できる?

 一方で、まだやれるとの声も根強いという。「イメージとは違い、制球力で勝負するタイプだから、この苦難も乗り越えられる」という声だ。記事は「球速よりも、制球が良い投手だ。右打者の外角低めに決める制球は未だにチームトップクラス。昨季の成績は満足できるものではないが、大きく落ちたのは月間防御率が12.79だった7月だけだ」と、不調は一時的なものだったと指摘している。

 さらに新年俸について「オプションが付いてはいるが、オ・スンファンには自尊心が傷つくしかない状況だ」とした。ただ話題となった年俸の“白紙委任”については「来年の準備をしっかりするという意思だと読むことができる」と前向きにとらえている。

 オ・スンファンは韓国プロ野球記録となる通算370セーブを残している。阪神では2014年に39セーブ、2015年に41セーブと2年連続でタイトルを獲得した。さらにその後は、カージナルスなどメジャーリーグで通算232試合に登板している。

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも、韓国代表として2006年の4強進出、2009年の準優勝に貢献。ただ、2大会連続の1次ラウンド敗退からの巻き返しがかかる今大会では、さすがにお呼びがかからなかった。現在は沖縄で自主トレ中。徹底した準備で、再び輝くことができるだろうか。(Full-Count編集部)