リーグ・アン第19節、4位レンヌ戦の後半55分、新銀河系軍団パリ・サンジェルマン(PSG)の看板トリオ、リオネル・メッ…

 リーグ・アン第19節、4位レンヌ戦の後半55分、"新銀河系軍団"パリ・サンジェルマン(PSG)の看板トリオ、リオネル・メッシ、ネイマール、キリアン・エムバペの「MNM」が復活。カタールW杯前のオセール戦以来の共演を果たした。

 試合は65分にレンヌの主将アマリ・トラオレが先制ゴールを決めると、それが決勝点となってPSGが敗戦。第17節の RCランス戦に続くシーズン2敗目を喫することとなった。



メッシとエムバペのコンビプレーは贅沢の極みだ

 それでも、休み明けのエムバペが55分に登場すると、69分には中盤に下がってボールを受けたメッシがDFラインの背後にロングフィード。完璧な動き出しでラインブレイクしたエムバペにぴったりと合わせて決定機を作っている。

 残念ながらこのビッグチャンスは、エムバペがシュートミスして同点とはならなかった。だが、約1カ月前にカタールW杯の決勝戦で死闘を繰り広げた両国のエースが、再びチームメイトに戻って抜群のコンビプレーを見せているのだから、PSGがいかに贅沢なクラブであるかを改めて実感する。

 かつて1994年アメリカW杯で、ブラジルのロマーリオが優勝と大会MVPを手にし、バルセロナのチームメイトだったブルガリアのフリスト・ストイチコフが大会得点王に輝いたことがあった。しかし、優勝トロフィーと大会MVPを受賞したメッシと、大会得点王のエムバペがカタールで残したインパクトを考えると、現在のPSGの豪華さは、このふたりだけでも当時のバルセロナを上回るのではないだろうか。

 W杯のタイトルを手にしたことで、ほぼサッカー界にあるすべてのタイトルを手にしたメッシと、すでに前回大会でW杯優勝を経験し、2度目のW杯ですでに通算12ゴールをマークするエムバペ。新旧スーパースターの共演は、だからこそ1試合も見逃せない。

【エムバペのオフはたった1日】

 年明け早々、フランスの『レキップ』紙ではふたりの特集を組み、あらゆる角度からメッシとエムバペを比較する記事を掲載した。そのなかで紹介されていた記録だけを見ても、ふたりの"怪物ぶり"がよくわかる。

 たとえばエムバペは、2022年(シーズンではない)に記録したリーグ・アンでのゴール数は32で、アシストは11。チャンピオンズリーグ(CL)では9ゴール3アシストを叩き出したほか、クープ・ドゥ・フランスで3ゴール。フランス代表としてもW杯で決めた8ゴールを含めて12ゴール3アシスト(W杯では2アシスト)と、公式戦では年間56ゴール17アシストを記録したことになる。

 ちなみにエムバペの公式戦年間56ゴールは、46ゴールの2位アーリング・ハーランド(ドルトムント→マンチェスター・シティ)を10ゴールも上回り、ヨーロッパ最多得点記録となった。

 一方のメッシも、リーグ・アンで12ゴール20アシスト、CLでは4ゴール4アシストを記録(クープ・ドゥ・フランスでのゴールとアシストはなし)。アルゼンチン代表ではW杯の7ゴール3アシストを含めて18ゴール6アシストを量産し、2022年の公式戦のトータルでは34ゴール30アシストを記録した。

 つまり、年間51試合に出場したメッシは、69分毎にゴールに直接関与したことになり、一方、年間56試合に出場したエムバペも64分毎にゴールかアシストを記録。そんなふたりが一緒にプレーすれば、毎試合ピッチで何が起こるのかは想像に難くない。

 とりわけ驚かされたのは、W杯後のエムバペだ。

 今シーズンのリーグ・アンは、W杯の中断期間を終え、決勝戦からわずか10日後にリーグ戦が再開した。だが、なんとエムバペはPK戦までもつれ込んだ決勝戦の3日後にはPSGのトレーニングに合流。カタールからの移動と決勝翌日の凱旋セレモニーも含めると、たったの1日しかオフをとらなかったのである。

 PSGを率いるクリストフ・ガルティエ監督は、W杯に出場した選手には敗退から10日間のオフを与えていたが、故キング・ペレの後継者とされる"フランスの怪物"には、休暇は不要だったようだ。

【MNMトリオが目指すもの】

 連覇を逃した悔しさからリカバリーするには、休むよりもプレーに戻ったほうが早い。あれだけの死闘を繰り広げたあとでもまったく疲労を感じることなく、よりプレーするモチベーションを高めていたのだから、もはや異次元すぎる。

 しかも、リーグ再開後の初戦となったストラスブール戦(第16節)では、1−1に追いつかれたあとにネイマールが退場。メッシ不在のPSGは10人で戦うことを強いられたが、エムバペはその苦しい時間帯でチームを牽引したうえ、後半アディショナルタイムに自ら獲得したPKをきっちり決めて、土壇場でチームを勝利に導いたのである。

 さすがに元日に行なわれたRCランス戦(第17節)のあとは、シーズン後半戦のことを考慮されて親友アクラフ・ハキミとともに約1週間のオフをとることになった。しかし、エムバペの勝利への意欲と向上心は、あいかわらず衰え知らずだ。

 35歳のメッシも、しっかりとオフを満喫してから年明け1月3日に合流し、エムバペ不在のアンジェ戦(第18節)からピッチに戻り、上々のパフォーマンスを披露している。

 開始5分のウーゴ・エキティケの先制ゴールの起点となると、後半72分にはノルディ・ムキエレのクロスを絶妙なコントロールからの素早いシュートで決めて2−0の勝利に貢献。W杯の疲れを見せることもなく、至って普通に決定的な仕事をやってのけている。

 この異次元のふたりにブラジルの10番ネイマールを加えたMNMトリオが次に目指すのは、リーグ連覇と悲願のCL初優勝だ。

 リーグ・アンでは、レンヌに敗れたことで2位RCランス戦との勝ち点差は3ポイント、好調の3位マルセイユとも5ポイント差に迫られているため、油断できない状況が続く。そして、強豪バイエルン・ミュンヘンと対戦する2月14日のCLラウンド16第1戦が、シーズン後半戦の最初の大一番となる。

 果たして"新銀河系軍団"PSGは、ノルマとされるリーグ優勝と、悲願のCL制覇を達成できるのか──。カタールW杯後も、PSGから目が離せない。