スペイン・バルセロナで開催されている「バルセロナ・オープン・バンコサバデル」(ATP500/4月18~24日/賞金総額 215万2690ユーロ/クレーコート)の2回戦で、第2シードの錦織圭(日清食品)がティエモ・デ バッカー(102位/…

 スペイン・バルセロナで開催されている「バルセロナ・オープン・バンコサバデル」(ATP500/4月18~24日/賞金総額 215万2690ユーロ/クレーコート)の2回戦で、第2シードの錦織圭(日清食品)がティエモ・デ バッカー(102位/オランダ)を6-4 6-2のストレートで下し、3回戦に駒を進めた。  「クレーでの1試合目ということもあったので、いつもより緊張もしたが、プレー内容はよかったと思う。今日は風が強い難しいコンディションで、お互いに風と闘いながらの試合だった。でも、そんな中でも堅実なプレーができたと思う」と、錦織はすがすがしい表情でクレーシーズン最初の試合を振り返った。  風が舞う難しいコンディション下では、いつものリズムで打ち込み続けるという具合にはいかなかったが、錦織は双方のセットの第1ゲームで相手のサービスをブレークし、常に主導権を握り続けた。 「ボールが急に止まったり、伸びてきたりというのは常にあったので、それと闘いながら。あれだけ風があると、なかなかフルスイングができないので、様子を見ながらプレーしていた」と錦織は言う。  錦織にとって唯一の小さなピンチは、自らの攻撃的ショットのミスもあり、15-40とダブルブレークポイントを握られた、第1セット第4ゲームのみだろう。しかしそこから臆さずフォアハンドで攻撃することで、ふたたびいい流れを引き寄せ、最後はやはりフォアハンドでエースを奪ってキープに成功した。その後はお互いにサービスをキープして進んだが、5-4からの自らのサービスゲームでは、隙を与えないプレーで力強くセットを締めくくった。  やりにくい状況の中でも要所では思いきって打ち込んでいったことについて、錦織は「その点はよかったと思う。特に今日はスピン系のボールの多い相手だったので、浅くなるボールも多かった。前に入らないと勝てない相手だったので、そこをより意識して今日はやった」と満足感も覗かせる。  続く第2セットの第1ゲームでは、相手の動きの逆をつくストローク、苦しい体勢からのロブで相手の頭上を鮮やかに抜き去った一本など、別のタイプの巧さでデ バッカーを崩し、ふたたびブレークに成功。第2セット終盤には、明らかに集中力を失ったデ バッカーのミスが増え、錦織はそれに乗じて第7ゲームでもブレークを果たすと、そのまま危なげなく押しきった。  「体の調子はかなりいいと思う。マイアミのあと数日の休みをとり、それからずっとしっかり練習できていた。もちろん練習と試合は違うが、今日のクレー上での感触はよかった。この週のプレーのための準備はできていると感じている」

 こう手応えを口にした錦織は、21日(木)の午後にセンターコートで行われる3回戦で、デ ベッカーより一段上となる第13シードのジェレミー・シャルディ(33位/フランス)と対戦する。  シャルディとの過去の対戦成績は錦織の3勝2敗で、ここ2年は錦織が2勝。しかし、昨年のATP1000のパリの大会では7-6(4) 6-7(6) 6-1とフルセットの戦いとなっており、油断のならない相手だ。シャルディは昨年、全仏と全米でベスト16に進出し、好成績を挙げている。  「彼は危険なプレーヤー。サービスがよく、アグレッシブで、フォアハンドも強い。フラット気味に打ち込んでくる選手だが、特にクレーでは時間がある分、おそらく思いきり打ってくるボ―ルが増えるはず。なるべくそれをさせないよう、明日の試合に向けた対策を立てたいと思う」と錦織。警戒心を見せた上で、「厳しい相手だが、僕もいいプレーをしているので、明日もまたいいテニスをしたい」と意欲を見せた。

(テニスマガジン/ライター◎木村かや子、構成◎編集部)