野村謙二郎氏は森保一氏と30年来の友人関係「性格的に合うんですよ」 元広島監督で野球評論家の野村謙二郎氏は、ワールドカッ…

野村謙二郎氏は森保一氏と30年来の友人関係「性格的に合うんですよ」

 元広島監督で野球評論家の野村謙二郎氏は、ワールドカップで日本中を沸かせたサッカー日本代表・森保一監督と30年来の友人関係にある。「ドーハに入る時も、森保にドーハの悲劇をひっくり返せってメールした。(ドイツ、スペインに勝利し)ドーハの歓喜になって、うれしかったね」と自分のことのように振り返ったが、そもそも大のサッカー好きでもある。現役時代は「野球がオフの間はサッカー選手になりたい」と言い出したことがあった。

 森保監督がサンフレッチェ広島の選手だった頃の話だ。当時から野村氏はよく森保氏の名前を出し、大のサッカー好きを公言していた。サンフレッチェの試合もよく観戦したという。そんななか飛び出したのが野球とサッカーとの“二刀流”発言だった。「サテライトリーグとかでプレーできないかな」とまでぶち上げたのだ。

 これについて野村氏は「確かに言ってましたね。思い出した。そういうこともあった。だいぶ変わっていたよね、俺も」と笑う。もちろん、実現はしていないし「冗談に決まっているでしょ」というが、あの頃は何度も何度もこの話をしていたのも事実だ。森保氏の影響も受けていたのかもしれないが、それはともかく「森保とは性格的に合うんですよ。熱いから、めっちゃ熱いからね」と明かす。

「インタビューを受けている時のあのまんまだよ。目の動きとかね。情熱的に語るのが森保で、国歌を歌う時に感極まるのも森保で、ハーフタイムでキレていたそうだけど、そういうのが森保だから。さわやかに見ている森保を見るとこっちが落ち着かない。我慢しているなって、まぁ俺の見方だけどね」と、こちらも熱く語る。「俺と似ている? 全然、あいつの方が人格者だよ。(日本代表監督として)さらに頑張ってほしいね」と笑みをこぼした。

印象に残る佐々木主浩からの一発「狙って打った」

 いろいろあった現役時代。「ヤクルト戦で延長になった時、ベンチ裏で音(重鎮)さんに『腹減ったよ、なげーよ、謙二郎、もう決めてくれよ』って言われて『ホント長いですよね、じゃあ、決めてくるわ、狙ってくるわ、一発』って冗談で言ったらホントにサヨナラホームラン。予告ホームラン。すげーなって言われたのは覚えている。狙ってないし、なんで打てたのかはわからないけどね」。

 巨人・桑田真澄投手との対決も印象的だという。「会心の当たりで、完璧なセンター前と思ったら桑田にジャンプして捕られた。なんだこいつって思ったりとかね」。横浜の大魔神・佐々木主浩投手から放ったホームランも忘れられない。「ほとんど打ってないから覚えている。スリーボール、ワンストライクからあたかも1球、見送りますよってふりをして、真っ直ぐ1本に絞って狙って打った。追い込まれたら打てないからね」。

 野村氏は2005年に現役を引退。2010年シーズンから5年間、広島監督を務めた。その時もいろんな出来事があった。それこそ簡単に振り返られるものではない。実に中身の濃い5年間だったが、今回は特に印象深いベスト3を挙げてもらった。その中には「生きた心地がしなかった」ものも……。(続く)(山口真司 / Shinji Yamaguchi)