今年最初の3歳重賞、第57回シンザン記念(GIII、芝1600m)は、ディープインパクトのラストクロップとなるライトクオ…

今年最初の3歳重賞、第57回シンザン記念(GIII、芝1600m)は、ディープインパクトのラストクロップとなるライトクオンタム、祖母エアグルーヴ、母も重賞勝ちの実績があるグルヴェイグを持つ、良血クファシル、デビュー4戦目で勝ち上がるも、オール連対の安定感が光るトーホウガレオンなど、7頭立ての少頭数ながら、魅力あふれる素質馬が揃った。

そんな中、京王杯2歳S4着の実績を持つペースセッティングが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。

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■マイル戦と上がり最速の経験が必要

ペースセッティングは2戦目で勝ち上がり、重賞初挑戦となった2走前の京王杯2歳Sでは、前残りの展開の中、中団から脚を伸ばし、勝ち馬から0秒2差の4着と善戦。前走の万両賞ではクビ差及ばず2着に敗れたが、再度重賞挑戦も、全馬1勝馬同士の争いなら、実績面では一枚上の存在だ。

問題は、これまで1400mまでしか経験がなく、初めてのマイル戦となる点だ。過去10年、前走1600mを使ってきた馬が【7.9.5.51】と好成績を収めているのに対し、前走1400m以下の距離延長組は【2.0.2.41】と、勝率・連対率ともに4.4%、複勝率8.9%と、心許ない数字となっている。

一昨年のピクシーナイト、昨年のマテンロウオリオンと、中京で開催された近2年は距離延長組が勝利しており、中京なら対応可能にも思えるが、前者はデビューから2戦とも上がり3F最速をマーク、後者は新馬でマイル戦の経験があった。

また、近5年の勝ち馬は、デビューから4着以下に敗れた経験がなく、かつ、5頭中4頭が前走で上がり3F最速の時計をマーク。残り1頭も上がり3Fは2位を計時しており、マイルの経験値と、上がりの速い時計を出せる馬が、シンザン記念で勝ち負けできる資格を持っている事になりそうだ。

ペースセッティングは、デビューから4戦、一度も上がり最速をマークしたことがなく、かつ、マイル戦は未経験。京王杯2歳Sで差のない4着と重賞実績は光るものの、それが人気を後押しするようなら、妙味ほどの信頼は置けないと考え、ここは思い切って「消し」でいきたい。

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文●石川豊