8人中7人がプロ入りの投手陣…五輪メダリストと2度戦力外の明暗 2015年に、甲子園球場などで行われた「第27回 WBS…

8人中7人がプロ入りの投手陣…五輪メダリストと2度戦力外の明暗

 2015年に、甲子園球場などで行われた「第27回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」に参加した日本代表は、最後アメリカに1-2で破れ、準優勝。その後プロ入りした選手は14人に上った。ただこのオフは2人が現役ドラフトにかかり他球団へ移籍。すでに戦力外となった選手もいるなど、大きな分岐点となっている。

 投手は8選手が選ばれ、7選手が後にプロへ進んだ。大会で先発投手としてベストナイン入りした佐藤世那は、この年ドラフト6位でオリックス入り。3年間プレーしたのちに1軍登板のないまま戦力外となった。

 出世組は小笠原慎之介と、森下暢仁だ。ドラフト1位で中日入りした小笠原は7年目の今季、初の2桁となる10勝。明大を経て広島入りした森下は1年目から10勝。2021年には東京五輪の日本代表にも選ばれ、金メダルを獲得した。

 高校卒業時の一番人気だったのが高橋純平だ。2015年秋のドラフトでは3球団が競合しソフトバンク入り。ただプロでは2019年に45試合登板、17ホールドを記録したのが目立つものの、続けて実績を残せていない。

 高校を出てすぐに広島入りした高橋樹也は、昨秋戦力外通告を受けた。そしてこの大会、投手として選出された勝俣翔貴は国際武道大を経て2020年に野手としてオリックスへ。ただ2年で戦力外となると、昨季は巨人に育成選手として移籍した。支配下登録を勝ち取るところまでは行ったが、秋に2年連続の戦力外となった。

プロ7年目の秋、現役ドラフトにかかった2人はどう変わる?

 この秋、野球人生の岐路に立たされているのが成田翔だ。高卒すぐにロッテ入りしたものの、昨年までわずか1軍15試合登板。現役ドラフトでヤクルトに指名され、移籍が決まった。左腕の特性を生かして活躍できるか。

 3人選ばれた捕手は、楽天入りした堀内謙伍と、慶大を経由して中日入りした郡司裕也の2人がプロへ進んだ。ただ両者ともレギュラーを奪うには至っていない。

 内野手では、唯一1年生で代表入りした清宮幸太郎が出世頭だ。5年目の昨季、自己最多の18本塁打を放ち、天性のスラッガーとしての素質が開花しつつある。他に平沢大河内野手がロッテへ、宇草孔基内野手が法大を経て広島へ進んだものの、1軍で居場所をつかんだとはいえない。

 3人が選ばれた外野手では、この年の甲子園で好守にわたる大活躍を見せたオコエ瑠偉外野手がまず進んだ。ドラフト1位で楽天入りし、1年目から1軍出場を果たしたものの出番は減る一方。今季は6試合出場に終わり、通算でも236試合で打率.219、9本塁打。現役ドラフトで巨人に指名され移籍が決まった。大きなチャンスを生かせるか。

 小笠原と東海大相模高の同期に当たる豊田寛は、国際武道大と社会人野球の日立製作所を経て2022年になってプロへ。昨季は1軍5試合に出場したものの初安打はまだだ。

 この代表入りした20人のうち14人がプロに進み、戦力外となった選手も3人。7年間で大きく運命は分かれた。現役は少しずつ減っていくだろうが、それぞれどのような野球人生を送るだろうか。(Full-Count編集部)