第99回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)は3日、復路5区間109.6キロが行われた。往路優勝の駒澤大が復路も制し、10時間47分11秒で2年ぶり8度目の総合優勝と史上5校目の「大学駅伝3冠」を達成した。総合2位には中央大、連覇を目指し…

第99回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)は3日、復路5区間109.6キロが行われた。往路優勝の駒澤大が復路も制し、10時間47分11秒で2年ぶり8度目の総合優勝と史上5校目の「大学駅伝3冠」を達成した。総合2位には中央大、連覇を目指した青山学院大は3位となった。

◆駒大が史上5校目の3冠達成 復路は一度も首位譲らず 盤石の選手層示す 大八木監督胴上げ3度宙を舞う

■6区の山下りでルーキーが区間賞

3冠阻止に燃えるライバルたちを寄せ付けなかった。まずは6区の山下り。駒大は当日変更で投入した伊藤蒼唯(1年)が58分22秒で区間賞を獲得。ルーキーの快走で弾みをつけると、7区・安原太陽(3年)、8区・赤星雄斗(3年)もリードを保ったままタスキをつないだ。

8度目の総合優勝と3冠へと突き進む駒大は、9区・山野力(4年)も力走。追いすがる2位・中大を徐々に引き離し、14.5キロ地点の横浜駅前では1分33秒差に広げた。そして、2年連続10区を任されたアンカー青柿響(3年)は自らを鼓舞するようにガッツポーズを繰り返し、最後は3本の指(3冠の意)を立てて大手町のフィニッシュテープを切った。

■奮闘した選手たちに感謝「感無量」

大八木弘明監督はレース後、「3冠というプレゼントをもらってうれしい。感無量」と話し、まずは奮闘した選手たちに感謝。続けて「今回の箱根はエースクラスも体調を崩し、起用できなかった選手もいた。ただ、これまで厚い選手層を作ろうとやってきて、補欠の選手でもしっかり走れるという見込みがあった。ミーティングでは(各選手が)区間5番以内で走れば勝てると話していたが、その通りに走ってくれた」とコメント。スーパールーキー佐藤圭汰や全日本8区区間賞の花尾恭輔(3年)を欠きながらも栄冠をつかんだ要因として、選手層の充実ぶりを挙げた。

往路では区間賞獲得がゼロながら全員が区間4位以上と盤石の走りを披露。かつて「復路の駒大」と言われたが、今回は往路から攻めの布陣で臨んだ采配も光った。

■絶対的エース田澤「悔いはない」

昨年12月に新型コロナに感染し、コンディションに不安を抱えながらのエントリーとなったエースの田澤廉(4年)は「自分自身、今回の箱根駅伝は不安があった。その中でも自分のやるべきことをやろうと思い、2区を走らせてもらった。今の自分の状態としては納得いくレースはできた。(区間3位で)負けてはしまったが、悔いはない」と言い切った。

学生最強ランナー田澤が万全とは言えない中でも箱根を制し、出雲駅伝、全日本大学駅伝と合わせて3冠を達成。大八木監督は「平成でも常勝軍団と言われたが、令和に入っても良い形で勝てている。この力を続けていきたい。3年生以下良い選手が残っているし、来年もまた優勝できると思う。(令和でも)続けて常勝軍団にしたい」と高らかに宣言した。

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文●SPREAD編集部