83試合出場にとどまった坂本の穴を埋められず 巨人は2022年、5年ぶりのBクラスとなる4位に沈んだ。今オフには長野久義…
83試合出場にとどまった坂本の穴を埋められず
巨人は2022年、5年ぶりのBクラスとなる4位に沈んだ。今オフには長野久義外野手が38歳にして5年ぶりにチームに復帰し、ソフトバンクを自由契約となった39歳の松田宣浩内野手を獲得した。23年を捲土重来の年とすることができるだろうか。現役時代に巨人の安打製造機として活躍し、引退後も通算14年間、巨人のコーチを務めた篠塚和典氏が分析する。
2022年の巨人は主将の坂本勇人内野手が相次ぐ故障で、レギュラーとなった入団2年目以降で最少の83試合出場にとどまった。もはや34歳となった坂本に全試合フル出場を求めるのは酷だろう。主将の座は岡本和真内野手に引き継がれた。篠塚氏は「巨人は今、世代交代期にあります。ショートのみならず、他のポジションを含めて、レギュラーが離脱した時に代役を任せられる“予備軍”をつくっておかなければ、長いシーズンを勝ち抜けない。代役と言っても、ただ出ているだけでは意味がない。むしろレギュラーを脅かすような結果を残せる選手でなければ、チームに勢いを与えることはできません」と力説する。
昨季は、高卒2年目の中山礼都内野手が坂本の不在時にショートで42試合にスタメン出場。増田陸内野手は一塁手として26試合、北村拓己内野手は遊撃と二塁を合わせて9試合に先発した。しかし、トータルでは中山が打率.198、北村が.173、思い切りのいい打撃が持ち味の増田陸も.250。「原(辰徳)監督は基本的に打撃重視。2割7、8分打てれば御の字だが、2割そこそこや1割台では話にならない」(篠塚氏)だけに、インパクトを残せなかった。
2021年に135試合に出場しレギュラーをつかんだかに見えた松原聖弥外野手も、一転して来日1年目のアダム・ウォーカー外野手らの活躍に押し出される形で、50試合出場、打率.113と低迷した。篠塚氏は巨人OBとして「ベテランの長野、松田を補強しなければならないということは、それほど生え抜きの若手が情けないということですよ!」と奮起を促す。
3軍制、ファーム試合増の意外な“落とし穴”
篠塚氏はCS放送のイースタン・リーグ中継解説などで、ファームのジャイアンツ球場を訪れる機会が多い。「正直言って、最近のファームの選手からは、ギラギラした泥臭さ、覇気を感じない。悪い意味で一人前の選手のような雰囲気を漂わせていて、ピリピリしたところがありません。われわれが若手選手の頃は、グラウンド内では常に走っていた。だらだら歩いていたらコーチや先輩に尻を蹴り上げられたものですが…」と苦言を呈する。時代が違うとはいえ、「もっとハングリーにならないと」と後輩たちを鼓舞したくなるのだ。
また、巨人は現在3軍制を敷いており、ソフトバンクに至っては2023年から4軍を創設する。独立リーグや社会人のチームとの対戦を含め、ファームの選手に実戦経験を多く積ませることが狙いの1つだが、篠塚氏はここにも落とし穴があると指摘する。
「ファームの試合数は、私の現役時代と比べ倍増した印象です。確かに実戦経験を積むことも大事ですが、試合が多過ぎて、逆に練習量が足りていないのではないだろうか。練習より試合の方が楽ですが、その結果、体力的に物足りず、1軍選手を含めて試合中に簡単に骨折、肉離れを起こす選手が増えた気がします」と持論を展開。「ファームを2班に分け、1つが試合をしている間に、もう1つが猛練習に取り組むのも1つのやり方ではないか」と提言する。
いかにして、ファームから1軍へ使える選手を供給する体制を整え、控え選手のレベルを底上げするか。そこに2023年はもちろん、巨人の未来がかかっているのかもしれない。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)